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タイヤをもっと「自分ごと」に TOYO TIRESの事例に学ぶ、SNS動画で拡散を生む秘訣


 「皆さんはタイヤに対して、どんな印象を持っていますか?」、そう聞かれるとなかなか答えが出てこないですよね。本記事では、「自分ごと」化するのが難しいタイヤのブランドコミュニケーションに取り組む東洋ゴム工業の森国良征氏とスパイスボックスの咲本明宏氏にインタビュー。その中では、TOYO TIRESのブランドを広く認知させ、高いエンゲージメントを獲得するため、どのように動画でのコミュニケーションを組み立てたかが語られました。

カーマニアからライトな車好きへシフト

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回の施策の背景、課題感を教えてください。

森国:元々、弊社ではSNS上で動画を使った様々なコミュニケーションを展開していました。しかし、内容の多くがモータースポーツ関連だったため、反応してくれる方の多くがカーマニアと呼ばれるようなコアな車好きの方々だったのです。

東洋ゴム工業株式会社 ブランドコミュニケーション部 部長 森国 良征氏

 TOYO TIRESのブランド認知、イメージ向上をグローバルレベルで展開することをミッションに活動。国内のマス広告の企画から制作、スポーツ関連のスポンサー契約、コーポレートサイトやSNSの運用、モータースポーツ関連のコンテンツ活用など、多岐に渡る業務に携わっている。

 もちろん、そういった方たちをターゲットにここ数年間は活動していたため、狙い通りの反応ではありました。ところが、その周辺のライトな車好きの方たちは中々反応してくれない。私たちはその層にアプローチすることにチャンスを感じると同時に、どうしたらTOYO TIRES(トーヨータイヤ)に関心・興味を持っていただけるかというところに課題感を持っていました。

MZ:モータースポーツ関連の動画とはどういったものですか。

森国:ドリフト競技やラリーイベントのレポート動画や公道を封鎖してドリフトマシンを走行させる動画などです。弊社はFacebookをメインにSNSを運用しているのですが、タイヤに関する豆知識を投稿すると、コメントの大半がマニアックな内容で、私たちでも知らないような知識が出てくることもあります(笑)。

 しかしながら、コアな情報は、興味のない人たちには広がっていきません。比較的ライトなネタとして、車のメンテナンスやドライブ関連の情報も上げていましたが、それでファンが増えるとは思えませんでした。どうしても引きの強い、モータースポーツコンテンツに頼っていたというのが実情です。

タイヤに必要なのは圧倒的認知

MZ:今回の施策におけるターゲットについてお聞かせください。

森国:30代から40代の男性が中心です。また、SNSを自由に扱えて、情報発信力が高い若年層にもアプローチできればと考えていました。

MZ:企画を担当したスパイスボックスさんの咲本さんにお伺いします、今回の施策を行うに至った背景を教えてください。

 株式会社スパイスボックス プロデュース事業部 シニアプロデューサー咲本 明宏氏

 主にBtoC企業のデジタル施策に関するプロデュース業務を担当。自動車関連や住宅メーカーなど様々な企業を支援してきた実績を持つ。

咲本:以前より森国様から、先述の課題感をお聞きしていました。確かに、タイヤに関して関心の高い方はごく少数で、自分の車に装着しているタイヤのブランドすらわからない状態がほとんどです。

 そこで、これまでのコアな車ファンとは異なるターゲットにコンテンツを届けるために、弊社独自のソーシャルリスニング調査を活用することにしました。調査からユーザーインサイトや今SNS上で話題となっている文脈を導き出し、TOYO TIRESが伝えたいブランドメッセージとつなぎ合わせてコンテンツを企画・制作することになりました。

MZ:一般的に、タイヤを購入する方は何を基準にブランドを選ぶのでしょうか。

森国:まず、タイヤを交換する動機が、交換しなければならなくなったからと消耗品的な扱いになっています。そのため、積極的に「タイヤが欲しい!」と買いに行く人は少数派だと思います(笑)。

 その中で購入に際して重視されるのは、価格とブランド名、店員さんの勧めです。目視でタイヤのパフォーマンスや機能の差はわかりませんし、試すこともできません。何が良いのかわかりづらいからこそ、よく知っているブランド、店員さんに勧められたものを選ぶというのが実情です。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/06/04 17:18 https://markezine.jp/article/detail/28436

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