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タイヤをもっと「自分ごと」に TOYO TIRESの事例に学ぶ、SNS動画で拡散を生む秘訣


会社の持つコンテンツと世の中ごとを結ぶ

MZ:ブランド名の印象を強く残すことが大事なんですね。

森国:ブランドが強ければ、店員さんも勧めやすくなりますから、非常に重要です。

MZ:では、どのような施策を行ったのか教えてください。

咲本:今回は先述のソーシャルリスニング調査から得られたインサイトを活かし、SNS上で話題化できる動画作りを目指しました。まず、調査の結果わかったのは、タイヤやTOYO TIRESといったブランド関連でエンゲージメントされているネタがなかったのです。

 このままでは、タイヤを「自分ごと」化してもらうための切り口が見つからないので、一旦「タイヤ」に関するワードからコンテンツの切り口を探すのはあきらめ、別のアプローチを模索しました。

 具体的には、自動車を保有している方々が何に興味あるのかを分析し、その中でタイヤと相性が良いものを見つけるアプローチに切り替えたんです。

MZ:タイヤやブランド関連のインサイトから、自動車を保有している人自体のインサイトへアプローチを変えたんですね。その結果わかったことはありましたか。

咲本:分析を行ったのが2016年で、その年はオリンピックイヤーでスポーツ関連の盛り上がりが強く、自動車を保有している人とスポーツの相性が良いことがわかりました。

 そこで、TOYO TIRESが持つアグレッシブなモータースポーツ関連のコンテンツをライトな層でも受け入れられる形にするのがいいのでは、と思いそこからコンテンツを考えることにしました。

一輪車×ドリフトで驚きを演出

MZ:では、実際に作った動画について教えてください。

咲本:今回は2つの動画を制作しました。1つ目はタイヤを印象付けさせることにフォーカスしたものです。一般の方にとって身近なタイヤは何かを考え、フィギュアスケートや一輪車など候補が合った中で、今回は一輪車を企画に取り入れました。そして、「一輪車とドリフトを組み合わせたら良いのでは」と森国様からアイデアを頂き、動画が完成しました。

森国:動画は「ハッピー“ラバー”ウェディング」という一輪車とドリフトでの結婚式をテーマにしたカオスな内容です(笑)。一輪車の世界チャンピオンの佐藤彩香選手とプロドライバーの川畑真人選手にお願いし、一輪車に乗った佐藤選手に対し、ドリフトしながら川畑選手に結婚指輪をはめてもらっています。

MZ:制作にあたって意識されたことはありますか?

咲本:TOYO TIRESのブランドメッセージが「そのタイヤに驚きはあるか。」なので、映像を見て「すごい」と驚いてもらうことを一番意識しました。

 あとは一般層向けなので、視聴し続けてもらえるよう、最初は花嫁の上半身のみを映し、実は一輪車に乗っていたとビックリさせるような演出を挟みました。

 また、最終的には東洋タイヤさんの動画であることを印象付けるために、はめる指輪がタイヤ型という小ネタを仕込みました。

森国:あと、最初から車とタイヤを出さないということですね。ターゲットが本当にコアな車好きではないので、いきなりドリフトしてる画が出てくるとその層しか見てくれません。社内では反対意見もありましたが、今回の企画の意図を伝えることで理解してもらいました。

季節性を取り入れ成果向上へ

MZ:2つ目の動画はなぜ、取り組んだのですか。

咲本:1つ目の動画が、後ほど説明しますが、想定以上の成果が出ました。この手法は使えるのではと思い、第2弾に取り組むこととなりました。

森国:第2弾では具体的な商材に対して貢献することを目指し、SUV用のタイヤに焦点を当てて動画制作に取り組みました。

 弊社は、北米市場において、SUVやピックアップトラック用のタイヤにおける高いシェアを誇っております。国内でもSUVに人気が集まっており、タイヤに対する需要も高まっていたので、タイミングとしては適切でした。

MZ:動画の内容についても教えてください。

咲本:「鬼の逆襲」と題した同作品は、パルクールという人間離れした動きで巫女と鬼が追いかけっこをします。その後、ピックアップトラックと軽トラでカーチェイスを繰り広げる内容になっています。

 動画の公開時期が2月ということで、その時期の世の中ごとである「節分」を取り上げました。数多くの動画から気に留めてもらうには、その時のモードに訴えかけるのが一番だと考えました。季節性を意識したという点が第1弾の動画とは違う点です。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/06/04 17:18 https://markezine.jp/article/detail/28436

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