ブランドストーリーを伝える海外Twitter事例
――Twitter Brand Summitでは、Twitterがマス媒体に近い規模となり、ブランディングを目的としたキャンペーンも増えてきたと報告されました。海外での事例をお教えください。

Twitterが特に活躍した海外事例から2つを紹介します。まず、アウトドア製品をあつかうREIという企業では、金曜日に店舗をクローズし、Twitterで#optoutsideというハッシュタグを用いたキャンペーンを行いました。これは、ターゲットに対して「お買い物ではなく、ぜひ外へ出かけてほしい」というブランドのメッセージが込められたものです。
This Black Friday @REI is closing to #OptOutside again. Will you go out with us? Retweet to receive a reminder. pic.twitter.com/FiCsQxVNfC
— REI (@REI) 2016年10月21日
もちろん店舗へ買いに来てくれることは嬉しいのですが、企業として届けたいブランドストーリーは顧客にアウトドア体験をしてほしいということ。それがよく表現されたキャンペーンです。
もう1つは、ナイキが2017年の5月に行ったBreaking2というキャンペーンです。 これは、男子フルマラソンの現世界最高記録2時間2分57秒を超えようという取り組みで、3人のランナーが実際に走りました。
Breaking the 2-hour marathon. Crazy? Yes. So we’re doing it. #LIVE
— Nike (@Nike) 2017年5月5日
Retweet or ❤ for @Nike #Breaking2 notifications. pic.twitter.com/Ue5Tvu3YCe
マラソンの様子はTwitterをはじめとしたSNSでライブ配信され、大変話題になったんです。このキャンペーンからは、ナイキの「挑戦をする・限界に挑む」というブランドストーリーがとても伝わってきます。
成長し続ける動画市場、Twitterの対応は
――Twitterも誕生して12年が経ち、インターネットの環境は目まぐるしく変化しています。世界中でモバイルシフト、動画の市場が拡大していく中、Twitterではどのようなサービスを展開していくのでしょうか。
2020年までにモバイルのトラフィックは全体の75%以上になると言われています。世界のモバイルデータ使用量の75%以上が動画によるものとされ、Twitterにおいても動画視聴の93%がモバイルからの再生です。Twitterでは世界全体で1日の動画視聴数が14億あり、そのうちの約3億が日本です。
モバイルがあるからこそ、動画の視聴・共有がかつてない勢いで広がっています。この流れの中で、企業は消費者とどのような方法でつながるのかを見直す必要があるでしょう。
動画はリッチなコンテンツを届けることができ、高いエンゲージメントを誇り、そして感情がうまく伝わる特別な媒体です。企業と消費者のエンゲージメントは、ブランドの話題化、つまり会話によって生まれます。Twitterにとっての動画は、会話のさらなるドライバーとして不可欠な存在であるという位置づけです。

そこでTwitterは、広告プロダクトのフォーマットに様々なイノベーションを起こしてきました。1つは、認知やパフォーマンスの向上を目的としたビデオウェブサイトカード。そして、ビデオアプリカードです。ビデオアプリカードは、アプリのインストール訴求や一度アプリから離れてしまったユーザーへリマーケティングを行うこともできます。
ディスプレイの上位で動画を掲載し、その下にはアプリストアのページを表示しますので、インタラクション的なクリエイティブで表現することが可能です。