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LOB買収は序章 楽天が挑む、グローバル広告プラットフォーム構想

LOB買収は、グローバル広告プラットフォーム構想の序章

――今回の買収によって、具体的にはどんなシナジーが生まれると考えていたのでしょうか。

有馬:シナジー以前に、パズルの空白が埋まるという点があります。先ほどお話ししたように、楽天に足りていなかったものがアドテクの企画力・開発力・人材でした。シナジーというよりは、独自の広告プラットフォーム戦略を実現するためになくてはならないコアの部分をスポッと埋めていただくことを期待していました。

――直近で具体的に考えられているアクションは何かありますか?

有馬:楽天全体としては、グローバルで通用する広告プラットフォームを作りたいと考えています。すでに楽天は、日本で約790億円ほど広告売り上げがあり、海外でもその何割かを占めているんです。そのプラットフォームを作る主要部分を、竹林さんたちに担っていただきます。

竹林:僕らが今作っているのは、広告プラットフォームの基幹部分です。大まかな機能でいうと、アドネットワーク、管理画面、アドサーバー、SSP、DSPなど。まずはSSPから取り組み、楽天の中で試していきますが、外部への広告配信システムも視野にいれ、今はベース部分を作っています。グローバルのチームと連携して開発を進めている領域もあり、刺激的ですね。

――いつ頃までに全ての機能を揃える目処ですか?

有馬:来年度中ですね。まずは、内部の在庫を有効活用するというところから取り組み、部分的に完成したものから随時リリースしていきます。

楽天経済圏のデータを軸に、未開の広告マーケットに挑む

――楽天市場という巨大なECサイトでの広告プラットフォーム開発は、何が魅力的ですか?

竹林:スマホの時代になって、今は大手のSNSを始めプラットフォーマーがトラフィックを支配し、広告の予算もほとんどそこに寄っている状態になっています。

 2017年には楽天の広告売り上げは約790億円になりましたが、僕としては経験したのことない規模の大きさです。Amazonさん、ZOZOTOWNさんをはじめECプラットフォーマーはいますが、国内最大級のECモールをやっている楽天で挑戦できるのはすごくワクワクします。今までの経験を活かし、この大きな規模にチャレンジしていきたいです。

有馬:専門性は違うかもしれないけど、私も全く同じ感覚ですね。「見つけた!未開の大地!ラストフロンティア!」みたいな(笑)。

――大手のECプラットフォーマーが、広告プラットフォームを持つ流れは、他の企業でも加速していくのでしょうか。

有馬:それは間違いないでしょう。自社のプラットフォームとデータだけでやるのか、どこかと連携して広げていくのか、といった戦略の違いはあると思いますが。

 楽天の強みは、テレビの視聴データから街中のお店の購買データまで、オフラインへも広がる楽天経済圏です。川上から川下までデータ連携ができるのが武器です。

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コマースとアドテクが交わる市場を開拓していく

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2018/07/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/28761

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