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LOB買収は序章 楽天が挑む、グローバル広告プラットフォーム構想

コマースとアドテクが交わる市場を開拓していく

――先ほどの有馬さんの発言「フロンティアを見つけた」とのこと。どんな仲間と一緒に挑んでいきたいですか。

竹林:アドテクの経験者であればあるほど、すごく面白いと思います。楽天の広告事業で2,000億を目指すという話を聞いて、世界観が大きく変わる話だなと。

 アドテクの開発は難易度が高く、パフォーマンスも高いものが求められます。経験者も、そうでないエンジニアの方も、技術的なチャレンジを探求していきたい方にとっていい経験になるかと思います。目指す売り上げ規模が大きく、自社にデマンド、サプライヤーどちらもありますし。

――楽天としては、今後も必要な機能を持っている企業との提携など、引き続き検討しているのでしょうか?

有馬:今回の件もそうですが、買収には常に、時間をお金で買うという側面があります。こうしている間にも楽天に眠っている巨大なデータから機会損失が生まれているんです。今後も自分たちで必要な技術やサービスを作れなくはないけれど、スピードが上がる話であれば前向きに考えたいですね。

 広告という意味では、EC事業はラストフロンティアなんです。僕自身は昨年の4月に楽天に入り、広告事業をリードしていますが、取り組むべき領域の広がりに面白さを感じています。

 例えばオムニコマース市場。約300兆円の個人消費のうち、ECはだいだい6~7%と言われています。昔に比べると成長していますが、それでも90%以上はオフラインでの購買です。ところが、どこで買うかはともかくとして、オンラインが何らかの形で購買プロセス寄与している割合は約18%と言われています。ネットで調べたり、ネットで注文して取りに行くなどですね。個人消費の約5分の1はオンラインが寄与しているんです。

 この市場の広がりの可能性は、楽天には大きなチャンスです。それは楽天市場としての発展形だけでなく、広告事業の広がりもあります。

 例えばアメリカではすでに当たり前になってるモバイルオーダー&インストアピックアップ。オンライン上の広告施策と実際の店舗への来店を組み合わせたコスト・パー・ビジットといった概念も、実現できる未来は近い。もはやコマースとアドテクが一緒になっていく市場を楽天が開拓していけるか。その結果として生まれる広告事業の機会は膨大ですね。

――本当に巨大なフロンティアですね。アドテク市場は急成長して落ち着いたイメージがありましたが、まだまだ世界が広がっていくんですね。

有馬:未来の可能性をどこまで広げられるかは牽引者の役割です。その世界はアドテクに取り組んできた人たちにとって、新しいチャンスの到来だと思います。どこでやるかだけの問題で、できたら楽天でやって欲しいですが(笑)。お腹いっぱいになるぐらいの未来を提供するという約束ができると思います。

――未来に向けたワクワクするお話しをありがとうございました!

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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2018/07/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/28761

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