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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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DeNAのマーケティング組織を徹底解剖

DeNAが明かす、デジタルマーケティングの成功・失敗事例とチャレンジにおける考え方

本当に良いクリエイティブをつくるために

MZ:ここまで、成功および失敗事例を紹介いただきましたが、現在進行形で取り組んでいることはありますか。

坊:今行っているのは、クリエイティブのクオリティ向上に向けた取り組みです。広告運用を行っていく中で、クリエイティブに関して2つの大きな課題を抱えていました。

 1つ目は、クリエイティブの良し悪しの判断が属人的になっていて、評価指標もバラバラなこと。2つ目は、良いクリエイティブの要素分解ができず、次回制作時に活かせるほどに一般化できていなかったことです。この2つの課題が、広告クリエイティブのPDCAを回していく上で大きな壁となっていました。

 そこで、これらの課題に対し弊社ではそれぞれ対策を打っています。1つ目の課題に対しては、オリジナルのクリエイティブ分析ツールを開発しました。本ツールでは、様々な指標を考慮した上で最重要指標を定めており、その指標をもとにクリエイティブの良し悪しを判断します。そして、良い点や悪い点の傾向の仮説があれば検証する体制にしています。また、このツールはクリエイティブディレクターから運用担当まで誰でも使えるようなものになっています。

 2つ目の一般化できていないという課題に対しては、何が良かったのかを考えるためのフレームワークを作りました。ゲームの場合、「キャラクターAが良かった」といった振り返りが多いのですが、このフレームワークを使い、「なぜそのキャラクターが良いのか」まで深掘りし一般化することで、キャラクターA以外の効果の良いキャラクターを選定することができるようになります。

 まだフレームワークは完成形ではありませんが、様々な方と情報交換する中でブラッシュアップしています。

タイトルをヒットに導くチャレンジを継続

MZ:最後に、今後の展望についてお話しください。

坊:直近では、クリエイティブの改善を引き続き行っていきたいと思います。ゲーム業界で良く行われるインセンティブ付与だけに頼らず、各タイトルが持つ本質的な良さを伝えていきたいです。本質的な良さを伝えるクリエイティブは数多くあると思いますが、ゲームという枠組みで見るとそこまで多くない。僕らがその先駆けになれるよう、今後もチャレンジしていきます。

川口:私達のチームでは定期的に強化領域を定めており、直近は広告クリエイティブでした。これに関しては、下準備が終わってまさにこれから結果を出していく、というフェーズになり非常に期待しています。

 それ以外では、一般的な新規インストールや休眠復帰以外の領域、例えば既存ユーザーの活性化やコミュニティ形成などの領域での貢献実績を増やしていきたいと思っています。これらに対して広告を使ってアプローチするというのに加え、効果の定量化が難しく見きれていない部分をデジタルの力で可視化し、しっかりPDCAを回せる体制を作ってより効果を上げていきたいです。

 DeNAの宣伝部にはコミュニティマネジメントの専門組織もあり、まさに今そのチームとの連携を強めています。タイトルをヒットに導く新しいマーケティング施策を生み出すべく、今後も積極的なチャレンジを継続していきたいと思っています。

MZ:次回はDeNAのコミュニティマネジメントの考え方を紹介いただきます。乞うご期待ください!

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/08/03 09:00 https://markezine.jp/article/detail/28921

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