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MarkeZine Day 2025 Retail

統括編集長インタビュー

「全国の生活者、メーカー、売り場を巻き込んだ共創を」CCC×Blaboで実現する顧客視点の価値創造

迷いながらもいばらの道を突き進んだ

―― Blaboの創業は2011年。元々は消費財メーカーのマーケターだった時代の課題感から生まれたサービスと記憶しています。当時「生活者を企画者にする」「お茶の間の声をダイレクトに反映させた商品作りを実現させる」などのお話をうかがって、まさに顧客視点ってこのことだなと感じ、印象に残っています。

 私は元々ユニリーバでマーケターをしていました。商品開発の際には様々なリサーチを行うのですが、調査会社からあがってくるリサーチ結果がどうしても生活者の本音だとは思えず、ウソだなと思っていました(笑)。いわゆる「ズレ」を感じたのです。

 当時は起業したいという考えは正直なかったのですが、マーケターが顧客起点から商品開発をできる仕組みを作りたいと思い、スタートアップを一社はさみ起業しました。

―― そこから順風満帆に業績は伸びていったのでしょうか。

 いえいえ。もちろん、それ相応に苦労しました。最初はいばらの道でしたし何度も道に迷いましたよ(笑)。でも、そうこうしているうちになんとか、ある程度の場所までたどり着くことができました。山にたとえるならやっと高尾山を登りきったところでしょうか。登りきったと思ったら、次はエベレストが広がっていた。今はそんな心境です。

 Blabo!の仕組みを通してヒット商品が生まれているので、だいぶサービスとして定着してきましたが、7年前は全然状況が違ったんですよ。「顧客視点はいいと思うけど、本当に実現できるの?」。そのような声も正直たくさんありました。

 それが実績を積み重ねることで「Blabo!と組めば生活者の本音を突いた商品が作れる」という評価に変わっていきました。その結果、テレビ等で取り上げていただける機会が増えました。でも、主張していることは7年前と変わっていないんですよね。

「ズレの解消」7年前から変わらない思い

―― 変わらない点というと?

 「『作り手』と『使い手』のズレをなくす」というミッションです。未だにコンビニでは年間60%程度の商品が棚落ちしたり、棚替えされてしまいます。どうして、一生懸命開発した商品が短命で消えていくのか。この原因は、普通の生活者の感覚が消えたまま、商品開発をしてしまうことにあります。

 会議室でついつい同じメンバーばかりで話しながら商品開発していると、全国の”普通の主婦感覚”とは、どんどんズレていってしまいます。だからマーケターと生活者が直接つながって、いつでも対話ができる仕組みが必要だったのです。そのため、ミッションもサービスも根本的には変わっていません。

 目まぐるしくトレンドが移り変わる時代なので、商品もサービスも時代に合わせようとする方が多いですが、逆の発想のほうが結果的に上手くいく気がしています。時代に合わせようとすると合わないので、先に準備して時代が合うのを待つ感覚ですね。

―― 変えることと変えないことを見極めるということでしょうか。

 そうですね。外的環境は今後も変化しますし、それだけを気にしていても振り回されるだけです。多くの企業が岐路に立っている状況だから「顧客視点」という言葉に注目が集まっているような印象を受けます。でも、まずは自分たちの独自性を見つめ直してみることが、非常に大切ですね。そこがブレていると「顧客視点」に寄り添いすぎてしまうことになってしまいます。

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6,700万人のDB×生活者の本音が生むビッグインパクト

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/08/07 13:00 https://markezine.jp/article/detail/28922

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