特に初めてAdWordsを使うときは、試しつつやることになるので、予算を「10万円」など極端に低く見積もりがちだ。
そうすると、例えば、月額の広告予算が31万円しかなかった場合、一般的には、1日あたりの予算上限を1万円として、月末まで消化するのを待つことになるのだが、実はこれだと、なかなかインプレッション数(広告の露出)があがらないことが多い。
これはAdWordsの仕組み上、キャンペーンの1日あたりの予算の多少がインプレッション数の決定に大きなウェイトを占めているためだ。
リスティング広告では、「クリックされなければ予算は消化されない」。なので、ここで、1日あたりの予算を「1千万円」とか「2千万円」と設定してみよう。

しばらくたつと、クリエイティブのインプレッション数がアップしたことがレポートでわかるだろう。予算の上限を極大化することで、広告の露出が増え、当然クリックされる可能性が高くなる、というわけだ。
このあたりの事情については「SEO SEM Technique Vol.4」(翔泳社)に掲載の「滝井秀典のキーワード攻略講座」にも詳細な解説があるので、ぜひ参照されたい。
もちろん、注意したいこともある。万一クリックされてしまえば予算をGoogleに支払うことになる。しかしながら、中島氏によれば「毎日きちんと管理していれば、キーワードのクリック率が極端に変化するということはないので、休日をはさんで多少予算を超過することはあっても、大幅に超過してしまったという経験は今のところありません。またクリックされることは広告効果があったということなので、それだけビジネス機会の拡大にもなります」と説明する。
また、予算設定の多少は、あくまで相対的なものなのでより大きい予算額をいれる競争入札者がいた場合は、インプレッションがそれほど増加しないということも考えられる。
このことは、Googleの「予算設定は広告の掲載結果にどように影響しますか」というヘルプにもかかれている。リスクはあるが一度はトライしてみてはどうだろうか。

2件以上アクションがあれば優良キーワードに認定
ITトレンドでは、サイトを訪れた人が資料請求を行うことで、アフィリエイト収入がイノベーション側に収益として入るという仕組みだが、肝心のサイト訪問者は、検索エンジン経由がほとんどになっている。
そうすると、どんな検索キーワードで訪れた人が、最終的に資料請求などのアクションをしてくれるのかという関連を見つけるということが最優先課題となる。
ここでも、中島氏の戦略はシンプルだ。
とある検索キーワードで資料請求(コンバージョン)が、「少なくとも2件以上発生したら」その時点で「優良キーワード」とみなし、一気にそのキーワードの入札金額を上げてインプレッションを増やしていき、他のキーワードとの差別化を図る(たとえば50円→200円)。
そうすることで、広告の掲載順位がアップして、優良キーワードからのユーザーの流入を増加させることができる。
逆に、これだけ大量のキーワードを入札していると、クリックされる割にはコンバージョンが低いキーワードもでてくる。これらのキーワードは躊躇無く、入札金額を下げたり、あるいは、入札自体を停止してしまうこともある。このように良いキーワードにより投資することを継続させることによって全体のパフォーマンスが最適化されていく。