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バーティカルメディア活用で新たな市場を創造/「ヘアラボ」が取り組むユーザーの課題解決とは?

 ヘアケア業界に「ノンシリコンブーム」を作った、ジャパンゲートウェイのシャンプー「レヴール」。今年5月に商品のリニューアルを行った同社は、メディア戦略のひとつとしてアラン・プロダクツが運営するバーティカルメディア「ヘアラボ」と取り組みを進めている。「ユーザーファースト」でのメディア運営を行うヘアラボと、そのプロモーション活用について、両社の担当者たちに話を聞いた。

ヘアラボに集まるのは、明確な動機を持ったユーザー

――まずは、ヘアラボについて教えてください。

(写真左から)アラン・プロダクツ ヘアラボ事業部 編集長 溝手順子氏
アラン・プロダクツ ヘアラボ事業部 営業チーム/DMチーム マネージャー 慶野紘平氏
ジャパンゲートウェイ マーケティング 統括マネージャー 丹治大地氏
ジャパンゲートウェイ マーケティング 山口真氏

慶野:ヘアラボは、「髪の毛の悩みと向き合う日本最大級のメディア」として、ヘアケアに関する情報を伝えるメディアです。弊社の企業理念「『人が変わる』を創造する」にあるように、ユーザーの髪の毛に対する意識を変えるための一歩として、まずは悩みにフォーカスしようと、カテゴリー特化型のバーティカルメディアを立ち上げました。

溝手:ヘアラボには毎日数万人のユーザーが訪れます。ユーザーの男女比はほぼ同率。検索流入が多く、ユーザーの7割ほどがヘアケアに関する情報を得るためにアクセスしてくださっています。ユーザーアンケートを頻繫に行っており、ユーザーの声をきちんと反映させるメディアとしても、評価していただいています。

――昨今キュレーションメディアの台頭がありますが、そのようなメディアとはどのような差別化を図っていますか。

慶野:キュレーションメディアとバーティカルメディアは、ユーザー行動の動機が全く違うと考えています。キュレーションメディアは、単にそのメディアが好きであったり、トレンドに敏感なユーザーが集まることが多いです。一方、ヘアラボの場合は、「ヘアケアアイテムを比較したい」ですとか、「この髪の悩みをどうにかしたい」といった明確な動機を持ったユーザーが集まります。

「ヘアラボ」に集まるユーザーはヘアケアへのモチベーションも高い

 マーケティングでメディアを活用する際も、メディアごとの役割を考えると選択肢が変わってきます。たとえば、カジュアルな認知の接点であったり、メディア自体のファンによる口コミの拡散を狙うのであれば、キュレーションメディアが適しているかもしれません。一方、ヘアケアに関心の高いユーザーが、アイテムを比較する行動の中での接触ポイントとして活用したいなら、バーティカルメディアのヘアラボを選ぶという考え方ができるのではないでしょうか。

SEO対策よりも重要なのはユーザーのニーズに応えること

――専門性の高いメディアとして、編集や記事作成はどのように進めていますか。

慶野:ユーザーの髪に対する悩みを解決するために医学的な情報も参考にしますが、基本的には「ユーザーのニーズに合っているか」や「読みやすい内容か」を基準に記事作りを行っています。また、我々は過度にはSEOを意識しないというスタンスです。

 そもそも、ユーザーが欲しい情報は何かという観点で記事を書いていれば、SEOでも評価されると私たちは考えています。実際、ヘアケアに関するキーワード検索をしてみると、ファーストページにヘアラボの記事が掲載される傾向にあります。これは、編集方針がしっかり評価されているからだと弊社では認識しています。

溝手:ユーザーは悩みを持った状態で情報を探し、ヘアラボにアクセスします。ですから、ヘアラボはユーザーに対してベストアイデアを届け、意思決定を助ける存在でありたいんです。そのために時間をかけて調査を行い、誠実に記事を作り上げることを心がけています。

 2018年2月に、ヘアラボを見たことがある人400人以上を対象に実施したWebアンケートでは、オフラインにおいてもユーザーの意思決定に影響を与えていることがわかりました。

ECサイトのみならず、オフラインでの意思決定にも影響を与えている

「ノンカチオン」という新たな市場の創造

――ジャパンゲートウェイのヒット商品「レヴール」は、マスを中心としたプロモーションを行い、ヘアケア業界にノンシリコン市場を創造しました。今回、マスの活用ではなくヘアラボで新商品のキャンペーンを行った背景を教えてください。

丹治:我々は今回、「レヴール」をリニューアルした「レヴール ゼロ」のプロモーションに取り組みました。この商品の最大の特徴である「ノンカチオン(一般的なヘアトリートメントに含まれるカチオン界面活性剤が含まれないこと)」という付加価値を訴求し、前回の「ノンシリコン」に続く新たな市場を切り開いていくことが目的です。しかし、従来にはない新しいメッセージですので、まずは最適な情報発信の方法を設計する必要がありました。

 ノンカチオンの訴求には、2つのポイントがあります。1つ目は、一般的なトリートメントに配合されているカチオンという成分にはかゆみや炎症など、髪や頭皮への悪影響につながる可能性があることをしっかりと伝えること。そして2つ目は、ノンカチオンを実現した「レヴール ゼロ」は長くご利用いただくことで効果を実感する商品であることを伝えるということです。

 なので、「トライアルで1回試してみよう」ではなく、正しい情報を発信し、正しく理解された上で使っていただきたいんです。そこで、まずはヘアケアに興味のある顕在層にその情報を届けることを優先して、ヘアラボさんとの取り組みをスタートしました。

山口:ヘアラボさんを選んだ1番の理由は、バーティカルメディアの中でも、特にヘアケア業界への理解・関心が高いためです。ヘアケア用品に関するトレンドや成分といった領域にも精通していて、メーカーである私たちのほうが勉強させていただくこともありました。実際に使っていただくお客様のためにも、「レヴール ゼロ」をヘアラボさんにかみ砕いてわかりやすく取り上げていただくことに価値があると思い、お願いしました。

丹治:いきなり商品のアピールをするのではなく、まずは価値を伝えることを意識しました。ヘアラボさんにも、商品の発売以降定期的に記事を書いていただき、多面的に商品を訴求できるよう工夫しました。

【ヘアラボに掲載された記事】
「【新発売】『レヴール ゼロ』シャンプー&トリートメントを徹底解説~特徴・成分・口コミ(使用感)をお届け~
「『ノンカチオン』って何?~おすすめのトリートメントも紹介〜」
「えっ、「髪年齢」って何? 美容師が教える、健やかな美髪のために今できること」
「ノンシリコン・ボタニカル・オーガニックシャンプーって、どんなシャンプーなの?〜シャンプー開発担当者に聞いてみた〜」

慶野:ヘアケアの分野はより細分化していまして、まず価格から価値訴求へシフトしています。「スカルプ」や「ノンシリコン」、「ボタニカル」「オーガニック」といった価値の訴求は、もはや当たり前になってきました。

 今は「すべて日本製のオーガニック商品」であったり、ジャパンゲートウェイさんのように「髪に低刺激なノンカチオン」など、いかに付加価値を乗せられるかがトレンドとなっています。なので、CMなどのビジュアル中心の訴求だけでは、商品の価値を伝えきれないんです。

 メーカーは、細分化していく商品の特徴を本当に理解してもらうために、深いメッセージがしっかりと響くユーザーへ情報を届けたいと願っています。そのため、ヘアケアに対する関心度の高いユーザーが集まるヘアラボが、コミュニケーションポイントとして選ばれているのだと思います。

ユーザーの行動変容にあわせて記事をアップデートすることも

――ヘアラボを拝見すると、たくさんの悩みごとに記事が分類化されていることがわかります。ユーザー視点の記事を作成するために取り組んでいることはありますか。

慶野:ヘアラボでは、必ず1つの記事・キーワードごとにマインドマップを作ってから記事作成に着手します。「このキーワードで検索してきたユーザーは、どのような意図で調べているのか?」という背景をくみ取ることを重視しているためです。

溝手:ヘアラボの記事には、編集記事やPR記事問わず、公開後もリライト(再編集)を重ね、内容をブラッシュアップしているという特徴があります。検索流入数やキーワード、読後感などをもとに、「もっとユーザーにとって最適な表現はないだろうか」と考え、構成に手を入れることもあります。これはあくまでも、ユーザーが情報を理解しやすいようブラッシュアップし、必要であれば、新しい情報も追加していくという意味合いです。

慶野:今回の「レヴール ゼロ」のように、新商品に対する検索ワードやユーザーの行動、ニーズは変化していきます。最初は興味本位で訪れていたり、情報収集が目的だった行動が、やがて「商品を比較したい」というように変容していくことがあります。そのため、それに応じて記事もリライトしていく必要があるだろうと考えています。とにかくユーザー視点で記事を考えるため、クライアントさんから表現の要望などがあっても、ユーザーのニーズに合わない場合は、こちらから逆に提案をさせていただくこともあります。

山口:ヘアラボさんは記事の質が高いので、私たちも信頼してお任せしています。また、常にユーザーファーストで記事を書くという姿勢でいてくださるので、プロモーションをする側の私たちもユーザー視点を持って取り組んでいかなければならないと、改めて意識しました。

メディアの域を超えた意思決定サポートの実現へ

――では最後に、ジャパンゲートウェイのお二人から、「レヴール ゼロ」の今後とヘアラボに期待することを聞かせてください。

丹治:今後も、ノンカチオンの認知と、「レヴール ゼロ」のブランディングに注力していきます。このブランドの「髪に優しく、長く使うことでゆっくりと効果を実感する」というメッセージは、昨今トレンドとなっているサステイナブルな価値観と合致しています。それを意識したブランディングに取り組みたいですね。

 ヘアラボさんに期待することは、新しいカテゴリーの創造です。ヘアケア業界全体が伸びていくために、信頼ある情報を発信し続けるメディアでいて欲しい。その中で、私たちも一緒に成長していきたいと思います。

山口:「あの有名なヘアケアのサイト、ヘアラボがオススメする〇〇」というように、一緒に取り組む商品のブランド価値も上がるような、オーソリティーを持ったメディアになっていただきたいです。また、リテール施策も一緒に取り組めたらいいですね。たとえば、ノンカチオンを説明するポップ販促やスマホで視聴できる説明動画を制作するなど、ヘアラボさんの視点を取り入れた商品展開もできると面白いです。

――ヘアラボさんの今後の成長戦略や新しい取り組みなどあれば教えてください。

溝手:ヘアラボは検索流入が多いので、指名検索されるサイトに成長させていきたいと考えています。ユーザーとクライアント、両方から支持されるメディアでありたいです。

慶野:やはり、ヘアラボのブランド価値をさらに高めていきたいです。「ヘアラボで紹介されているから買った」や「髪の悩みはヘアラボを参考にしよう」など、信頼され選ばれるメディアであるために今何ができるかは、常に考えています。メディア自体のブランドを高めることが、クライアントさんとの取り組みの効果向上につながると思っています。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/09/13 10:00 https://markezine.jp/article/detail/29002