多様化するブライダル業界、高まるデジタルマーケの重要性
ブライダル業界の市場規模は、関連市場も含めると2.5兆円とされる(2016年矢野経済研究所)。そのうち、式場・披露宴に限定した場合でも1.4兆円規模のビッグマーケットだ。人口減少の背景から、披露宴の件数は緩やかに減ってはいるものの、その単価は上昇の傾向にある。
また、挙式スタイルのトレンドとして、写真撮影のみの「フォト婚」や、そもそも式を挙げない「ナシ婚」も増えている。カップルにとって結婚式は、多種多様な選択肢があり、自分たちのこだわりを追求するイベントとなっていることが読み取れる。
かつては、興味関心から資料請求まで、すべてのマーケティングファネルを雑誌広告メインで対応していたブライダル業界。しかしネットやスマートフォンでの情報収集が当たり前となった今、結婚を考えるカップル・プレ花嫁の行動は、ネット・SNSでの情報収集から始まるようになった。
専門誌を参考にしつつも、ネットを中心に自分たちに合う式場を比較検討し、ブライダルフェアなどの来館や下見予約を行い、細かな検討を重ねて候補を絞っていく。カップルの式場比較リストに挙がるため、デジタルマーケティング施策の重要性は以前より急激に高まっている。
「以前は、一部の業界大手企業を中心に取り組まれていたデジタルマーケティングですが、今では裾野が広がり、地方の中小企業もデジタルを活用し始めています。いまだ雑誌広告が強いブライダル業界ですが、集客の柱としてデジタルを活用していくという動きは、これからさらに強まるでしょう」(越氏)
自社メディアへの広告出稿だけでなく、外部アドネットワークを用いた広告運用、それらのクリエイティブ、クライアントサイトの運用まで包括的なデジタルマーケティング支援を行うウエディングパーク。
クチコミ情報サイト「ウエディングパーク」をオープンして今年で14年目となる同社は、自社メディア内で来館予約を行わず、各結婚式場のサイトでの集客を最大化するというビジネスモデルを展開し、他社との差別化を図ってきた。
また、アドテク商品の売り上げは2017年度比で倍増、アドテク商品を活用しているアカウント数も150%増と、業界のデジタルシフトに合わせて着実に実績を伸ばしている。これは、営業・アドテク・クリエイティブの各部署が連携し、業界特化で事業を展開してきた結果であろう。今後も、広告メディアとクライアントという関係性だけでなく、マーケティングパートナーとしてのポジションを固めていく構えだ。