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非離脱率98%!観たくなるCM「アドフュージョンドラマ」の効果を電通×スポンサーが語る


スポンサーもドラマ制作メンバーの一員に

豊田:アドフュージョンという広告形態は、当然ながら純広告であるテレビCMのスポットと比べるとリーチ数は限られます。ですが、ドラマというコンテンツのなかで、消費者に伝えたい情報を意図する形で、かつ、嫌われない形で伝えることができたと思います。

MZ:それはテレビCMと比べて尺が長かったからですか?

豊田:それもありますが、ドラマの制作時に中尾さんを始め、制作スタッフの方々と膝を突き合わせて議論できたことが大きいですね。「そのシーンなら、この機能のほうがいいのでは?」というような当社側の意見もきちんと拾い上げてくださいました。

中尾:アドフュージョンドラマは、情報量が多ければいいというものではありません。たとえば、入れる情報を増やすことでエンターテインメント性が損なわれてしまうのであれば、情報を少なくしたとしても、おもしろさを際立たせたほうが広告の効果は高い。

 今回ご協力いただいた3社は、そういった面にもご理解いただけて、だからこそおもしろいドラマを作ることができたのだと思います。

MZ:初代スポンサーは効果が見えないこともあり、不安もあると思います。どのような気持ちで引き受けたのでしょうか。

久保田:弊社はむしろ、新しい取り組みだったのでスポンサーになりました。よくも悪くも知られないと利用につながらないので、「チャレンジングな会社なんだな」という認識づけが消費者に対してできたのであればよかったと思います。

MZ:エクスコムグローバルさんと言えば、ドラマの番宣CMに西村社長が登場し「ドラマに出してほしい」とおっしゃっていたのが印象的でした。

久保田:はい(笑)。実は、昨年中尾さんに担当いただいたテレビCMにも西村が登場しています。西村自身、「世の中にないものを発信していく」という理念を掲げているので、こういった新しい取り組みに参加させていただけたのは、とてもよい機会でした。

MZ:結局ドラマには登場しませんでしたね。

久保田:次回作に期待しています(笑)。

テレビの力を再認識させたかった

MZ:中尾さんはアドフュージョンの生みの親の一人ですよね。なぜこのような広告形態を考えられたのでしょうか。

中尾:理由はいくつかありますが、まず「テレビの力」を再認識させたかったという気持ちが強くあります。今、テレビの力が弱くなったと言われていますよね。でも僕は、テレビが弱くなったのではなくて、視聴者の視聴体系やニーズが変化しているなかで、僕らテレビを使う側の人間がテレビを使いこなせていないだけだと思っています。

 だから、「使い方次第でテレビはこんなにも影響力があるし、こんなにおもしろいことができるよ」というのを示したかった。

中尾:あとは「飛ばされないCM」を作りたかったから。広告は本来、積極的に見たいコンテンツではないですよね。テレビCMは、視聴者の見たいメインコンテンツの間に間借りをしているもの。だから、少しでもメインコンテンツを見たいと思っている人の気持ちを害さず受け入れてもらうために、おもしろくしたり、美しくしたり、人気のある方を出したり。これまでのクリエイティブは、マイナスにとられるところを取り返すためのものでした。

 「広告がメインコンテンツとして見てもらえるなら、もっと色んなクリエイティブができるのに」そんな思いがずっとあって、チャレンジしたかったんです。

 と、ここまでは自分の思いですが、「ネットとマスの良いところをかけ合わせた広告が欲しい」という、広告主企業からのニーズも強く感じていました。

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ネットはフレキシブル、でもマスではない

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/09/28 20:11 https://markezine.jp/article/detail/29058

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