CMを「観たくなるコンテンツ」へ
MarkeZine編集部(以下、MZ):『名探偵コジン~突然コマーシャルドラマ~』、ドラマ本編にCMが組み込まれおりとてもおもしろかったです。
中尾:ありがとうございます。突然ですが、放送後に視聴者に対してアンケートを実施したので、その結果を報告したいと思います。LINEさん、エクスコムグローバルさんにお伝えするのもこの場が初めてとなります。
MZ:サプライズですね! では、よろしくお願いします。
中尾:今回の取り組みは、「飛ばされないCM」を作るということを目標のひとつに掲げていたのですが、ドラマ放送後に実施した調査では、CM中の非離脱率は98.0%でした(「STADIA」2018年6月視聴ログデータより)。
MZ:驚異の数字ですね。
中尾:アドフュージョンは、ただ広告をメインコンテンツに融合させるだけではなく、その広告がコンテンツのおもしろさを高める要素でなければならないと考えています。今回のドラマは推理モノだったのですが、CMで紹介する商品が事件解決の鍵になるなど、CM自体がドラマの重要な要素になっています。これにより、メインコンテンツに割り込む存在であったCMが、「観たくなるコンテンツ」に変わるのです。
商品に対する利用・購入意向が2倍以上に
MZ:CM部分はほぼ100%見られたとのことですが、視聴後の反応はどうだったのでしょうか。
中尾:アドフュージョンドラマ視聴前後において、商品に対する気持ちの変化を調査しました。その結果、「LINE Clova Friends mini」の場合、従来のテレビCMのみを見たときと比べて、商品に対する利用意向が約2.3倍、購入意向も約3.5倍と大きく伸長し、推奨度は約4.2倍に高まりました。
アドフュージョンという広告手法で求めたのは、単純なリーチ数ではなく、CMを見たあと、商品に対する「利用・購入意向」をいかに上げられるかというところだったので、これは狙ったとおりの成果ですね。
豊田:弊社でも、放送日とその翌日にTwitterなどSNS上の反応を調べていました。目視での確認にはなりますが、9割近くはポジティブなコメントでしたね。もう少しポジティブ・ネガティブが混ざった反応があると予想していたので、ここまでポジティブに受け入れてもらえたこと自体が驚きでした。
久保田:弊社の商品は海外で使うものなので、どうやってドラマに入れるのだろう……と若干の不安があったのですが、すごく上手に入れてくださって。放送後のSNSでもネガティブなコメントはほとんどありませんでしたね。
中尾:エクスコムグローバルさんの「イモトのWiFi」は、ドラマの中で犯人が使っています。普通のクライアントだったら怒りますよね(笑)。でもエクスコムグローバルさんは、それが広告としておいしいポイントであることを理解してくださってありがたかったです。
MZ:従来のテレビCMよりも、視聴者の利用・購入意向が高くなったのですね。なぜこのような効果が生まれたのでしょうか。