“寄り添う”ことへの強みを推し進めるAIによる機械学習
麻原:キャラクターへの大きな反響がある一方、情報提供という部分では、どのようなお声が届いているのでしょう?
的場:「my daiz」では、あらかじめ情報を入力いただかなくても、AIの機械学習によって先読みすることもできます。スマホの利用履歴からお客様の行動を把握するまでに、2週間の時間を要しますので、サービスインから1ヵ月半が経過し、ようやく、先読みによる情報提供を実感いただけるタイミングです。「本当に届くんだ!」と、驚きの声も聞きます。

麻原:これも「my daiz」の大きな特徴ですね。サービスを利用すればするほど、こちらからも求めることなく、より個人に即した状況が届くという。
的場:そうですね。今回の「my daiz」では、「寄り添う」ことを大きなコンセプトとしています。今、多くの企業がAIアシスタントに注力する中、スマホで提供していることも大きな特徴のひとつです。いつでも、どこでもお客様に寄り添っていられるスマホだからこそ、どの時間に家を出発し、どの時間にランチに出掛け、そして帰路につくのか、一人一人に即した学習ができます。
すると情報の中身はもちろん、情報提供のタイミングに関しても、パーソナライズが可能です。たとえニーズに適した情報であっても、お客様にとって最適なタイミングで配信しなければ「寄り添う」ことにはなりません。従来のサービスから得たノウハウもありますが、最適なタイミングを推定するAIを取り入れることで、よりその精度が高まります。いかにベストなタイミングでベストな情報をお届けできるかが命題ですね。

山本:「my daiz」のレベル機能に込めたのも、寄り添うことへの意識です。メニューをタップするとキャラクターの隣にレベルが表示されますが、この数値は、お客様への理解度が深まるほどに上がっていく予定です。次第に距離が狭まる過程を可視化し、今後は、この数値が上がるごとにキャラクターが見せる変化の形も増やしたり、プッシュで情報を伝える際のスタイルも変化したりするようなことも考えていきたいです。
この変化は、人と人が仲良くなっていくことと同じです。そのため、お客様が趣味としている分野に関してはキャラクターもすごく詳しいといったような、キャラクターとの対話の部分でも、関係性の変化を実感いただけるような仕掛けを作っていきたいですね。そうした仕掛けから、より弾む会話を実現することができれば、さらにお客様の趣味嗜好を把握でき、情報提供という部分にも還元できるはずです。
ユーザーへの深い理解がもたらす、インタラクティブな関係性へ
麻原:聞いているだけで、ワクワクしますね。情報提供、対話に関する今後への展望をお聞かせいただきましたが、「my daiz」の特長の一つである提携団体、メンバーについては、いかがでしょう?
的場:もちろんメンバーの数も増やしていきたいと考えています。そして予約や購入の手続きが、すべて「my daiz」内で完結するような仕組みも進めていきます。現状、そうしたコンテンツもいくつかありますが、まだすべてという状況ではありません。この部分をより強化できれば、生活サポートといった面で、よりお客様に寄り添ったサービスになれるはずです。

麻原:ありがとうございます。今後の進化が、さらに楽しみですね。
山本:はい、キャラクターとの対話もどんどん進化していきますので、期待していただければと思います。そして現状でも、まだ明らかになっていない返答がたくさんあるので、ぜひ、いろいろ話しかけていただき、新しい応答の発見があった場合にはSNSなどでシェアするなどして楽しんでいただければと思います。おすすめは「歌を聴かせて」ですね!かなりこだわって制作したオリジナルソングが聴けます(笑)
奈良:私は「好きな技は何ですか」がおすすめです。ファミコン世代ならきっとニヤリとしていただける反応が返ってきますよ(笑)
的場:こんな風に、お客様に楽しんでいただけるような仕掛けが、たくさん隠れています(笑)。こうした仕掛けを含め、非常に個人的な意見ではありますが、今、多くのAIアシスタントが乱立している中、最も愛されるサービスとなることが大きな目標です。
そのためには、やはり寄り添うこと。「AIアシスタント」という言葉に想起される秘書的な存在ではなく、パートナーや友達といった存在として、単なるツールではないインタラクティブなサービスを目指したいと考えています。寄り添うことでお客様への理解を深め、深い理解があるからこそ、心地のいい変化提案ができる。そうしたサービスを目指し、今後もブラッシュアップを続けていきます。