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「小霜さん、質問してもいいですか?」

広告クリエイティブディレクター小霜和也のお悩み相談室1「今後の理想の広告の在り方って?」

今後の理想的な広告の在り方

『マスWeb問わず、広告の位置づけや求められ方がずいぶん変わってきているように思いますが、今後の理想的な広告の在り方をどう考えていますか?』

 僕は、One to AllとOne to Oneの上手い組み合わせなんじゃないかなと思っていまして。One to Allは、役割として、存在感を作ることになっていくんじゃないかなって思っています。One to Oneは、需要刈り取りのほうですよね。

 ターゲティングがどんどん精緻化されているわけなので、One to Oneではクリエイティブっていうのが、必要なくなっていくと思うんですよ。

 もう「これ欲しい」ってわかっているなら、テレビCM的なフックとかオチっていらなくて、情報を与えるだけでいいわけじゃないですか。なので、この場合は、告知でいいよねっていう。クリエイティブディレクターだけど、クリエイティブを捨てる勇気がこれから必要になってくるんじゃないかなって思っています。

 だから、「色んなところで存在感を作ってから、情報だけを与えていく」というのが、今後のひとつの理想形になるんじゃないかなっていう気がしています。

One to Oneの価値観で考えると「広げる」はムダ

『ここ最近で一番広げ方が上手いと思った事例を教えて下さい。』

 「広げる」っていうことの価値がどんどん変わってきていると思うんですよ。これ、エージェンシーの問題の一つでもあると思うんですけど。今ね、大御所って言われているCDって、全員One to Allの成功体験をしてきた人達だと思うんです。話題の広告作りましたっていう人達。

 で、それって、「広がれば広がるほどいいよね」っていうことなんです。「広がれば広がるほどいい」「誰でも知っている見たことある」みたいなのがいいよねっていう価値観がまだ支配しているところがあるかなと思うんですけど。

 でも、それをやるためには、ターゲットじゃないところも巻き込まないといけない。全然買ってくれない人も「あれ面白いよね」とならないと、社会現象にはなかなか到達しないわけで。でも、One to AllじゃなくてOne to Oneの価値観でいうと、話題になるって無駄があるってことです。

 「広がってるなぁ」と外から見えること自体、もうムダなんじゃないかって。「あれ、運用下手だよね」っていう話じゃないのかなって。

 だから、広げるって言っても、どう広げるかが大事。商品によっては、みんなが知っているべきものもあると思うんですよ。「世の中全体に存在感を作る広げ方がいいのか。それとも、この人達だけに広がればいいんだっていうことなのか」。商品とか案件によって、どっちに振れば良いのか、やり方が多様化しているし、どんどん多様化していくと思うので。

 単純に「これは広がったからいいね」っていう風には言えなくなっていくんじゃないかなって思います。だから、この商品の広げ方は上手いねって僕に見えていること自体、One to Oneの世界では失敗しているともいえるので。僕の知らないところで上手い広げ方をしている商品もきっとあると思うんですよね。だから、なかなか「この事例!」って答えるのは、無理があるかなって思いました。

相談会はまだまだ続きます。続きは次の記事で。

1.「今後の理想の広告の在り方って?」
2.「マスとWebの最適配分問題に対する打開策」
3.「いずれ、テレビとWebの同時配信が始まる」
4.「クリエイティブって、そんな簡単じゃない」

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2018/11/07 07:00 https://markezine.jp/article/detail/29490

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