Pinterestはビジュアルディスカバリーエンジン
「ビジュアルディスカバリーエンジン」、Pinterest(ピンタレスト)では自身のサービスのことをそう呼んでいる。プラットフォーム内のアイデア画像やWeb上の気になった画像を「ボード」に「Pin(ピン)」することで保存し整理することができるのがPinterestだ。Interest(興味)を Pin(ピン)するツールということだ。「Pin」はいわばブックマークのような仕組みで、画像の元ページにリンクされているのでユーザーは元ページを辿ることもできる。
Pinされた画像はキーワード(テキスト)検索の他、アプリのカメラから類似する画像を探すことも可能だ。コーディネートやインテリアのヒントを見つけるといった利用法がイメージしやすいところだろう。たとえば、友人の履いていた靴が気になったら、Pinterestのカメラで撮影、類似したPinが表示される。関連したPinもおすすめされるので、そこから気に入った商品が見つかるかもしれない。ソファーを検索したら、他の家具と組み合わせた空間イメージをつかむことができるだろう。こういったことがビジュアルディスカバリーエンジンたる所以だ。
SNSは人のつながりを前提としているが、Pinterestはそうではなく自分自身の興味や関心とつながるためのもの。興味やアイデア軸でつながるためのソーシャル機能はあるが、ユーザー生成コンテンツはほとんどない。ピンタレスト・ジャパンのカントリーマネージャー、舩越貴之氏は「ユーザーをサービス内に囲い込むということは考えていません。Pinterestではユーザーの興味関心に最も関連性の高いアイデアへのアクセスを提供し、発見したアイデアを実現することの手助けを行っていきたいのです」と語る。
国内400万アクティブユーザーのマーケティングチャネルとして
Nielsenが2018年5月に行った調査によると、Pinterestのモバイル端末からの国内月間アクティブユーザー数は400万人とのことだ。日本で毎日“Pinされる”数は130万件にのぼる。舩越氏によると、グローバルでの人気のコンテンツは、インテリアやファッション、ビューティ、フード・ドリンク。日本ではDIYのヒント発見にもよく使われているという。ピンタレスト・ジャパンのオフィスも、Pinterestで集めたアイデアを基にデザインされている。
では、マーケティングチャネルとしてはどのように機能していくのだろうか。2018年11月現在、Pinterestは日本では広告メニューを展開していない。ユーザー体験の向上に重きを置いているためだ。そのため、オーガニックでのアカウント運用と連動キャンペーンがキーとなる。
「Pinterestには潜在ニーズにアプローチできるという特性があります。発見した画像からインスピレーションを受け、何か行動に移るまでの早い段階で企業はブランドメッセージを伝えることができます。それより、ブランド認知の向上、あるいは新規顧客の獲得と既存顧客として確保することを可能とします。マーケティング活用を考えている企業の方は、まずビジネスアカウントを作成されることをおすすめします」(舩越氏)