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イベントレポート

U-35限定イベントで明かされた、若手発想のマーケティングノウハウ【デジマ下剋上レポート】

「性」を扱ってわかった、コミュニケーションの本質

 そのような経緯を経て入社した西野氏に対し、諸石氏が「広報活動の中で、どのようなことを心がけているのか」と聞くと、「認知を認識に変えること」と回答した。

 「TENGAは男性ですと80%近い認知度があります。ただ、その中には『TENGAって、あのいかがわしいグッズだよね』といった表層的な印象も含まれています。そのような認識ではなく、TENGAが持つ本当のコンセプトや医療現場で使われていることなどを知ってもらい、その先で『性はもっとオープンでもいいよね』などと思ってもらうための活動をしています」(西野氏)

 そして、良い認識を持ってもらうべく取り組んでいることは以下の3つだという。

1.自己開示をする

2.主語は小さく、相手に考えてもらえる切り返しを考える

3.自分の知らないことはたくさんあると認識する

 1つ目に関しては、以前大丸梅田店に女性向けセルフプレジャーアイテム「iroha(イロハ)」のポップアップストアをオープンした時の話を例に挙げた。

 「ポップアップストアでお悩み相談室を開いたんですが、いらっしゃったお客様がお話しづらそうで。そのため、最初は自身の経験をもとに性の悩みとかを打ち明けました。すると、お客様も『実は私も……』と悩みを話してくれたんです。性に関する自己開示はいきなりだと難しいので、まずこちらから話しかけることが必要だと思っています」(西野氏)

 2つ目は、「男性は○○」「女性は○○」という属性で人を判断するのではなく、「私ならこう考えます」と主語を小さくした上で、「あなたならどうしますか?」という切り返しをしているという。いきなり相手に押し付けるコミュニケーションを取れば拒否反応が起きる。だからこそ、別の考え方も提示しつつ、相手に投げかけることで考えるきっかけを作っているのだ。

 そして3つ目、西野氏はこれが非常に重要だという。性と一言にいっても、様々な学問分野で研究がされており、知識も幅広い。そのため、西野氏は「自分は性に詳しい」と傲慢にならないよう、様々な知識と経験を蓄えるよう自己研鑽しているのだ。

 諸石氏もこれに対し、「マーケティングも同様だ」と語った。

 「デジタルマーケティングだけ詳しくてもダメで、統計学やマーケティング論など周辺知識が必要なはず。それに気が付くのが早ければ早いほど、成長できるチャンスはありますよね」(諸石氏)

 最後に西野氏は「私的・コミュニケーションの本質」を明かし、セッションを終えた。

 「重要なのは、消費者の声を深掘りして、その声の裏に潜む考え方、価値規範は何なのかを見極め、諦めずにコミュニケーションすること。誰にも脅かされずにみんなが性を楽しむには、相手を尊重する姿勢が大切です」(西野氏)

 「現場から上に突き上げ、ビジネスを加速させる」というミッションを掲げている「デジマ下剋上」。今回のイベントからは、同ミッションのように現場で奮闘するマーケターの勢いを感じることができた。主宰の一人である諸石氏も「互いに切磋琢磨できる同業界、同世代の仲間を作れるプラットフォームであり、若手が運営するからこそ実現できるイベントを開催していく」としており、今後も東京と大阪での開催を予定しているとのこと。若手マーケターの自主的な活動に、引き続き目が離せない。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/12/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29813

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