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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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女性向けメディア特集

ユーザーの暮らしに広く深く入り込みたい――「キナリノ」が構築してきた世界観に迫る

 女性をターゲットに展開しているメディアを取り上げ、その担当者を取材する本連載。今回は、ライフスタイルメディア「キナリノ」を取材しました。メディアの枠を超え、ECやマンションの共創プロジェクトなどにも取り組んでいる「キナリノ」に、構築したい世界観や今後のビジョンを聞いてきました。

雑誌の世界観をスマートフォンの中で表現したい

――今回は、ライフスタイル系のメディア「キナリノ」の事業責任者である渡部さんにお話を聞いていきます。まず、キナリノについて、どういう媒体なのかご紹介いただけますか?

株式会社カカクコム 執行役員 事業開発本部 本部長 兼 キナリノ事業部 本部長 渡部智之氏
株式会社カカクコム 執行役員 事業開発本部 本部長 兼 キナリノ事業部 部長 渡部智之氏

渡部:もともと私自身、北欧系のインテリアや雑貨が好きでして。5年程前に、なんとなくそういったテイストが世の中に普及し始めているのを感じていました。またその流れは、インテリアや雑貨だけでなく、ファッションや食生活などのライフスタイル全般へ広がり始めていました。さらに、こういったシンプルで洗練されたテイストは、一度好きになると、その人の嗜好として定着していくイメージもあったんです。

 そこで、「ナチュラル」「シンプル」「丁寧な暮らし」といったキーワードを軸に、ライフスタイル全般を扱うメディアを展開しようと考え、立ち上げたのがキナリノです。コンセプトは、「暮らしを素敵に丁寧に。」。世界観を大切にしながら、運営してきました。

――雑誌の世界観をWeb上に構築しようとされたんですね。

渡部:雑誌の部数が減っている中、スマートフォンが普及して、我々がネットに接続している時間はどんどん増えています。ですが、Webメディアが雑誌を代替できているかというと、そうではありません。スマートフォンの中でも雑誌と同じクオリティの表現ができたら、必ずユーザーに支持されるサービスになると考えていますので、コンテンツのクオリティにはかなり注力しています。

 たとえば、アプリでは「キナリノサロン」という特集コンテンツを提供しています。ここでは、本当に雑誌の紙面をデザインするようにコンテンツを作成しており、その都度レイアウトを組んだりしています。画像は所々動くようになっており、Webならではの良さも活かしています。

キナリノサロン イメージ
キナリノサロン イメージ

――どのような方がキナリノを利用されているのですか?

渡部:年齢層に関しては、20代から50歳以上の方まで、幅広い年齢層の方々に利用いただいています。特にアクティブなゾーンは、35~45歳くらいです。特性としては、やはり暮らしを豊かにしたいという意識を強く持っている方が多いですね。モノだけでなく内面の豊かさについても、皆さん考えられているようです。

――キナリノでは、ECも展開されていますよね。

渡部:はい、キナリノモールでは、生活雑貨やインテリア、衣類などを扱っています。ECはリピータービジネスですが、新規顧客の獲得も非常に重要です。たとえば、ZOZOでは「WEAR」が、楽天市場ではそれぞれのストアがマーケティングエンジンとして、新規顧客獲得に寄与しています。我々が展開しているキナリノモールも同じで、ユーザーとの接点はキナリノが担っています。キナリノとキナリノモールをいかにシームレスなサービスとして提供するかに注力していますね。

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/16 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29955

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