ユーザーが受け取る体験価値、情報価値、商品価値を最大化する
最近よく耳にするようになったCXO(Chief eXperience Officer)という役職。CXOの役割を一言で言うとユーザー体験の責任者であり、ユーザーを自社に馴染ませることが仕事です。CX(Customer eXperience:顧客体験)やUX(User eXperience:ユーザー体験)はもちろん、CXOの担当領域になります。ユーザー体験はサービスや商品に包括的に関わることから、組織横断的な責任が発生します。
CXOが必要になった背景には、生活者のデジタルシフトがあります。デバイスの多様化で生活者と企業がつながる経路が増えたため、デバイスやメディアを横断して一貫した顧客体験を提供する必要が起きているのです。さらには、生活者の多様化にともない嗜好性が細分化する環境下で、自社のプロダクトやサービスを正しく体験してもらい、購入や導入へつなげる必要が出てきているのです。
ではCXOは何をすべきなのでしょうか。まずは生活者(ユーザー以外も含む)と自社の接点を作るフェーズ、関心を持ってもらうフェーズ、顧客になるフェーズ、そのまま関係性を続けていくフェーズ、すべての段階のユーザー体験を管理することです。つまり、ユーザー(すべてのフェーズの「人」を便宜上そう呼ぶ)が受け取る体験価値、情報価値、商品価値を最大化することが、CXOのミッションです。
企業側の視点ではなく、情報を受け取るユーザー側の視点に立ち、価値の最大化を目指すことが大事です。マーケティングが進んでいる企業では、ブランドマネージャーが実質的なCXOのミッションを担っているケースもあります。

株式会社ムーンショット 代表取締役CEO 菅原 健一氏
これまでのBtoC、BtoB、大企業、スタートアップ、女性向け、男性向け、サービス、メーカーなど、あらゆる企業のコンサル、アドバイザーの経験を活かし、企業の10倍成長を支援するアドバイザー業として2018年7月にムーンショットを創業。