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サブスクリプションモデル大解剖

マーケティング=広告ではなくなっていく/西井敏恭氏が聞いた「NewsPicks」が支持される理由

「ユーザー共創」はユーザーとの対話

西井:冒頭で、定期購読とサブスクリプションの違いについてお聞きしましたが、ユーザー獲得に関しても根本的に別の思考を持っていますよね。

 定期購読の場合は、広告を通じて契約を結んでもらうことがゴールですが、「NewsPicks」は、サービスの構想段階から潜在的なユーザーのニーズを反映したプロダクト設計をし、利用後もユーザーと向き合い続けている。ここが、サブスクリプションたるところかなと感じました。

菊地:UIは定期的に改善し、ユーザーのニーズに合わせた機能も適宜追加するようにしています。2017年からスタートした動画コンテンツは、今や主力コンテンツの1つ。動画コンテンツがきっかけとなって有料会員に転換してくださった方も多くいます。

西井:サブスクリプションでは、「ユーザーとの共創」も重要なポイントの1つだと思っています。「NewsPicks」では「NPコミュニティチーム」がコミュニティ作りを担当しているようですが、ユーザーとの共創を促進するためにどのような工夫を凝らしていますか?

菊地:「NewsPicks」はコミュニティチームが中心となり、ユーザーが何を求めているのか、そして利用開始以降にどのような課題を抱えているのかを考え、その1つ1つに応えていった結果、今の形があります。ユーザー共創という手法だけではだめで、サービスを共創していくメリットがユーザーに伝わらなければ、ユーザーからの評価も得ることはできません。

西井:弊社のミールキット「Kit Oisix」も、ユーザーからのフィードバックを受けて改善していくうちに支持が広がり、結果として「ユーザー共創」になりました。ユーザーのニーズを探ろうとせず、企業視点の手法が先行してしまうと、共創は上手く行かないということですね。

マーケティング=広告が変わっていく

西井:今回の対談を通じて、「NewsPicks」はミックス型のメディアであることがわかりました。

 たとえば新聞の場合は、通信社から届けられるストレートニュースを扱うため、どのプラットフォームでも内容自体は類似しています。一方で「NewsPicks」は、Pickやコメント機能によってキュレーションとオリジナルコンテンツを組み合わせた差別化を行い、これまでになかった価値を生み出しています。

 弊社でもこれと同じように、農家から食材を仕入れるラインと、自社工場での対応を行う「Kit Oisix」のラインのミックス型を採用しています。なぜならば、自社で素早くPDCAサイクルを回して、サービスを改善していく機能が必要だと考えているからです。

菊地:そうですね。「NewsPicks」も、根底にあるのは「良質なコンテンツを届けること」です。そうでなければ、どれだけマーケティングをしてもユーザーは振り向いてくれません。オリジナルコンテンツとメディアパートナー様からいただく情報の両輪で進めていくことが大切だと思います。

西井:では最後に、今後の展望を教えてください。

菊地:今後は、より幅広い層の方々にご利用いただけるように、ダイバーシティを考えたコミュニティ作りにチャレンジしていきたいです。また、より一層コンテンツ・サービスを磨き上げ、利用継続率を伸ばすことにも取り組んでいこうと考えています。

西井:菊地さんのお話は、マーケティング業界全体に共通して言えることのように感じました。広告だけがマーケティング活動ではないのは充分言われ尽くした話だと思いますが、対応できていない組織が未だに多くあると思います。

 その中で「NewsPicks」では、「売ったら終わり」ではなく、はじめての利用をあくまで起点と捉えていますよね。そこから、広告・プロダクト(コンテンツ)改善・サービス設計など、マーケティングそのものを最初から設計しています。メディアビジネスやサブスクリプションビジネスだけではなく、ほとんどのビジネスにおいて重要な示唆を与えていただきました。本日はありがとうございました。

第2回では、NTTドコモの「dサービス」についての対談の様子をお届けします。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/30081

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