中華系アプリへの配信に期待
続いて宍戸氏は、Mobvistaの利点に「中華系アプリへの広告配信が可能なこと」と「運用面の柔軟さ」を挙げる。
現在、TikTokをはじめとした中国企業発アプリのグローバル進出が著しい。Mobvistaは早くから中国企業アプリの海外進出を支援し、そのネットワークを築いてきた。ゆえに、カメラアプリ「Camera360」や、セルフィーアプリとして人気の「BeautyPlus」といったアプリの直在庫を抱えている。
また、成果地点や単価の変更など、細かいキャンペーンマネジメントが発生した場合でも、Mobvistaはスピーディに対応し、成果を維持できるよう運用面で支援。この点も、宍戸氏は高く評価しているという。
これに対し井料氏は、テクノロジーだけでなく「運用チームの拠点である北京との時差が1時間であること」「中国市場自体が競争が激しくレベルが高いため、知見や運用に長けた、プロフェッショナル意識が高いスタッフの存在」が成果を支えていると自信を見せた。
「Mobvistaでは常に、お客様に継続的な成果をもたらすことを意識しています。仮にキャンペーンの停止依頼を頂いた場合でも、なぜそのような判断をされたのかヒアリングを行い、そのフィードバックは、次回以降の機能や運用の改善へつなげています」(井料氏)
マッチングアプリ市場を健全なものに
最後に、宍戸氏・井料氏から今後の展望を聞いた。宍戸氏はまず、マッチングアプリ市場の形成について語った。
オンライン恋活・婚活サービスへの認知は高まっているものの、まだ不安を抱える潜在層はいる。リクルート内では同サービスの不安要素を「恥ずかしい・あやしい・高い」の頭文字からHATと定義しており、宍戸氏は業界全体で健全な市場形成へ努めていきたいとした。
「ゼクシィ縁結びでも、24時間365日のパトロールや本人確認の徹底など、マッチングアプリを安心安全にお使いいただくための体制を揃えています。そして、何よりもゼクシィというブランドは強みでもあり責任でもあります。登録されたお客様のアンケートによると、『ゼクシィだから』もしくは『リクルートだから』登録したというお声が多い。この期待にお応えし、会員の皆さまに対し幸せのきっかけ作りをサポートしたいです」(宍戸氏)
続いて井料氏も「引き続き、ゼクシィ恋結び・縁結びのアプリプロモーションへ貢献していきたい」と語り、Mobvistaのサービス拡大を掲げる。
現在、Mobvista日本法人が提供するサービスは、アプリインストールを目的としたプラットフォームが中心だが、今後、中国や欧米で展開している複数事業を、日本で導入することも検討しているという。
「Mobvistaでは、事業を展開する各国でのローカライズを徹底し、お客様をグローバルで支援する“グローカル”を打ち出しています。中国企業アプリの海外進出をサポートしてきたノウハウを、各国へ展開していきたいです」(井料氏)
各ストア経由で海外配信にチャレンジしやすいことも、アプリビジネスの特長だろう。中国企業発アプリの躍進、そしてアプリのグローバル展開を狙える環境に、アプリビジネスの新たな成長が期待できそうだ。