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今伝えたい本当の広報PR

【攻めを守る】広報担当者が意識すべき万一への備え

身近にある会社を取り巻くリスク

 広報が対応すべきリスクには外部的な要因によるものと内部的な要因によるものがあります。内部的な要因は組織や役員、社員の言動によって引き起こされるもの。社内の不正や社員の不祥事、機密情報の漏えいや経営者の発言による炎上などです。外部的な要因でいうと、自然災害や訴訟・行政処分、また同業他社の問題の飛び火といったところが起こる確率としては高いのではと思います。

 自社の内部的な要因で問題が起きてしまった時、SNSなどインターネットから火が付くことが多く、それが話題になるとメディアから問い合わせが来て報道につながり、さらに多くの人が知ることになります。万が一対応に失敗しようものならさらに批判の報道が重なり……。想像しただけで怖くなった方は多いのではないでしょうか。こういった危機が起こった時に、広報はどういったポリシーで社内に意見し、対応していくべきなのでしょうか。危機管理広報の具体的な手法については書籍やセミナーで多く語られていますので、ここでは基本となる考え方についてお伝えします。

きちんと意見を言える広報であるために

 私自身、様々な経験と失敗を経て思うことは、緊急時には「誰に対して、何を謝罪するのか」「それを自社の責任としてきちんと受け止め、再発防止をどうするのか」ということをしっかり固めることが重要だということです。緊急時に広報に求められる役割は、発信するメッセージの作成だけではありません。たとえば訴訟に不利になるから、謝罪をすると事業成長に影響が出るから……そういった意見に押され、非を認めなかったり被害者としての側面を強調したりしてしまうと、さらに社会的な信用を失うという事態になってしまいます。そういったことも踏まえ、広報として臆せず意見を言えるかが問われてきます。そのため、日頃から経営者や事業責任者とコミュニケーションを取り、どんなときでも意見を聞き入れてもらえる信頼関係を築いておく必要があります。

 私は「経営と事業のバリューアップが広報の仕事」と考えています。それは単に経営者などの「人」に満足してもらうのではなく、本当に企業価値の向上に貢献しているのか? 自分の評価や満足感のために仕事をしていないか? 日々そこを意識するということです。そうでないと、結局は重要な局面で意見が受け入れられず、誤った対応をしてしまい、いつまでたっても問題が収束しないという事態になってしまいます。

日頃の思考トレーニングが大事

 またスピード感が求められる危機管理対応において、何か起きてから過去事例を調べたり対応策を決めるのに時間をかけて検討したりして、対応が後手に回ったらそれもまたマイナスです。私が初めて対処すべき問題に直面したときは、守りの想像力が欠如しており、正直その対応は十分なものではありませんでした。常日頃、起きた事例を見ながら、どうするべきか? を想像し、思考を鍛える訓練が必要だなと実感したものです。

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経営者の炎上リスクをどう捉えるのか

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この記事の著者

上村 嗣美(ウエムラ ツグミ)

株式会社サイバーエージェント 全社広報室 シニアマネージャー
大学在学中、当時社員数30人だった株式会社サイバーエージェントにて内定者アルバイトを開始。2000年に入社、社長秘書と広報を兼務で務めたのち、2005年に同社初の専任広報担当として広報部門を立ち上げる。
企業広報からBtoB 事業における広報...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/30236

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