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突撃、足立流マーケティングメソッドを探る

話題化で売上を上げる方法は? 足立流・ソーシャルメディア活用のすすめ

PRとソーシャルとマス、どう組み合わせるのが正解?

MZ:その「ソーシャルメディアと他の要素の組み合わせ」について、詳しくうかがえますか?

足立:話題を最大化するには、各手法の順番が大事だというのが僕の考えです。マクドナルドでも実践していたのは、「PR→ソーシャルメディア→広告」の順番で山を作ることです。たとえば、もう皆が知っている情報とまだ広がっていなさそうな情報がTwitterに流れてきたら、どっちをリツイートしますか?

MZ:まだ広がっていなさそうな情報、ですね。

 そうそう。リツイートが何千単位で皆が知っていることより、「これから話題になりそう」ということのほうが関心を引きやすく、皆に知らせたくなるんです。マクドナルドのようにオールターゲットである程度の規模を狙う場合、ニッチすぎる情報では爆発的な拡散はしませんが、業態や商材によってはニッチでもいいと思います。

 いずれにしても“これから”の話題がソーシャルでは拡散しやすいので、その状況を作るために、まずPRでネタを提供します。それで拡散を図り、一定の認知を得たところで、一気に広告を投下する。そうすると、広告に接触する何割かの人は既に「Twitterで見かけたな」という状態なので、まったく初めて見る広告よりも寛容度がぐっと上がります。

MZ:なるほど。ただ広告を打つよりも、最終的な効果が大きくなるわけですね。マス広告を使うような商材だと、まず広告戦略を決めてからソーシャルメディアの活用を検討するような流れが一般的だと思っていました。

足立:確かに、そういう企業は多いと思いますよ。ただ、マクドナルドや他のターゲット層が幅広い商材は、リリースした週の初動がすごく大事です。映画もわかりやすいですね。公開初週にお客さんが動けば「週間ランキング1位!」みたいなファクトが作れて、それがまた次のお客さんを連れてきてくれますから。

Twitterはメディアの情報源にもなっている

MZ:確かに! それが後々の大ヒットにつながるというのは実感できます。

足立:消費財だと、スーパーなどの棚の確保にも影響しますからね。だからこそ、発売直後に大きな売上を上げられるよう、PRとソーシャルで広告が最大限に受け入れられる下地を作っておくのです。

 これはマクドナルドで1年くらい試行錯誤して、検証した上でつかめた定石ですね。ソーシャルメディアのいいところは、失敗したら話題にならずに誰も気づかないから、なかったことにできる(笑)。だからたくさんトライ&エラーを重ねました。

MZ:ソーシャルにもいろいろな種類がありますが、マクドナルドでは特にTwitterを活用されてキャンペーンの度に話題になっていたと思います。各SNSの特徴をどう捉えていますか?

足立:Twitter、Facebook、Instagram、LINEといろいろ試しましたが、広く拡散できて認知の獲得に1番有効だったのはTwitterでした。FacebookやInstagramは、特定領域の深い情報でコミュニケーションするには適していると思いますが、「いいね!」はしてもシェアはされにくいなという印象です。

 また、Twitterの強みだと思うのは、マスコミがTwitterのトレンドをチェックしているところです。ここから、ワイドショーや情報誌で取り上げられたりすることが普通に起きています。

MZ:メディア側の情報源になっているんですね。

足立:これらの強みを踏まえると、特にマス向けの商材にはTwitter活用のチャンスがあると思いますね。「巷で話題の~」みたいな言い方をしますが、Twitterがネット上の“巷”になっているのだと思います。マクドナルドでは、基本的にソーシャルはTwitterにフォーカスしていましたから。

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ソーシャルの話題化に使える戦術とは

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/30239

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