データを軸にした議論ができるように
MZ:完成したシミュレーターを使ってみていかがでしたか。
肥田:シミュレーターで出る数字はあくまで予想なので、100%正確なわけではありません。ただ、目安として大変有用だと思いました。
たとえば、リスティング広告を改善し続けると、ある時から効果が頭打ちになりシュリンクしていくタイミングがあると思います。シミュレーターでは、そのようなタイミングをある程度視覚化して、チームで共有することができるんです。

当社のマーケティングチームの中には、マス広告、デジタル広告、Webサイトの担当が集まっているので。広告投下金額から売上がシミュレーションできるようになったことで、全員が共通イメージを持ち、納得感を持って施策に取り組めるようになりました。
シミュレーションをもとに議論が生まれることもあるし、定量的なデータをもとに予算配分の最適化を実施できるようになったので、マーケティングチームとして大きく前進できたと感じています。
また、私はデータ分析に関するスキル・知識を持ち合わせていないので、DATUM STUDIOさんとの打ち合わせにはデータ分析が得意な他部門のメンバーに入ってもらっていたのですが、そんな私も使いこなせる仕様になっております。非常に助かっています。
里:システム内で高度なロジックが働いてはいるのですが、そのような複雑な面は表に出さず、アウトプットはできる限りシンプルにするよう心がけましたね。専門家が使うわけではないので、使いやすさにはこだわりました。

既存ツールだと、専門家でなければ扱えないような細かな数字を精緻に追っていくものがほとんどです。扱える人がいればいいのですが、専門家以外の方が使うと枝葉の部分に目がいきがちで逆に全体感を把握しづらくなってしまいます。
広告はクリエイティブによっても効果が変動しますし、完璧なシミュレーションは難しい。だからこそ、要点となる数字を把握できるような設計にしたほうが実用的だと考えました。