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日本郵便「デジタル×アナログ」実証実験プロジェクト(AD)

日本郵便の実証実験プロジェクトから見る「デジタル×アナログ」の未来と活用

「DMとEメール」両方送るならどっちが先?

――コミュニケーションの要素分解と、各要素の検証が重要ということがわかりました。他にも、DMとメールを配信する順番についても実験されたそうですね。

 そうですね、それは富士フイルムさんのフォトアルバムをはじめとしたBtoC向けのフォトビジネスを手がけているメンバーの方と行いました。リクルートジョブズさんの時と同じようにビークルテストは事前に行いました。

 同じターゲットに対して「DMだけ送る層」「メールだけ送る層」「DMとメールを組み合わせて送る層」とで比較検証したところ、「DM+メール」の層が「メールだけ」の層に比べて、CTRが60倍との数値が出たんです。

 それで2回目の実験では、組み合わせた時にDMとメールのどちらを先に送ると効果が高いかをテストしました。一般的なデジタルマーケターであれば、コストが低いメールを先に送りたくなると思います。

 しかし、今回の実験でDMを先に送ってからメールを送ったところ、メール単体に比べCVRは約5倍、サイトアクセスは2倍以上に増えました。

 DMを含んでいる方は順番に関係なくメールだけに比べ、サイト訪問数は同じ程度上がったのですが、CVRに随分差が出ました。CVRはDMを先に送ったほうが、2ポイントほど数値が高かったんです。

DMを送った後は必ずフォローを

――しかし、なぜメールを先に送った場合のCVRが低いのでしょうか。

 そうなったのかは非常に単純で、昨日ないし今朝もらったメルマガの内容って覚えていない人が多いからです。自分の体験で振り返ってみて、そう思いませんか。

――確かに、思い出したら検索して探すくらいなので、ほとんど覚えていないかもしれません

 そのような状況の人が多い中「メールをお送りしているのですが」とDMで伝えても組み合わせにはならず、DM単体の効果と変わりませんよね。

 一方で、DMが送られてきたことは認識されていることが多く、そこに「DMは届きましたか?」とメールを送ることで相乗効果が生まれる。メール単体に比べて開封率も高くなるのはもちろん、DMを見てアクセスしたいけど面倒だと思っていた層を引っ張り上げることもできます。

 Webサイトで情報を確認したいニーズのある方にとっては、メールのほうが楽ですから。要するに、DMとメールの相乗効果を最大限引き出すのであれば、DMを先に送ったほうが良いのです。

――なるほど。DMとメールを組み合わせる時は、DMから送るのが最適ということですね。

 はい。ただ、メールを先に送るのが悪いわけではありません。メールだけで反応する人はいますし、DMに比べればコストも安いですからね。安いコストで反応が得られるのであれば、マーケティングとしては正解です。

 個人的には、まずメールを送り、それに反応しなかった人にDMを送った後、DMを送った人に必ずメールでフォローするというのが正解だと思っています。

 つまり、事例からの学びは、DMを送ったら必ずフォローの施策をしようということです。

次のページ
実証実験を通じて得られた5つの学び

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/18 16:19 https://markezine.jp/article/detail/30327

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