商圏軸以外のターゲティングを可能に
MZ:位置情報によるターゲティング広告というと、先ほど平さんからもあった商圏でセグメントした広告配信をイメージしてしまいます。AIR TRACKは他の位置情報を活用した広告とどう違うのでしょうか。
藤田:様々なアプリから位置情報などを収集および分析して、そのデータをもとに広告配信が行える点ですね。たとえば、一般的な商圏軸のターゲティングのみだと「近い店よりお気に入りのお店に行く」といったユーザー固有の行動を追うことが難しいものです。

一方AIR TRACKでは、膨大なユーザーデータを機械学習で分析し、ユーザー行動をパターン化していきます。そしてパターン化したデータをもとに、来店や購買の見込みが高いユーザーへの拡張配信を行います。
来店回数が40%上昇
MZ:では、今回両社で行った施策の概要を教えてください。
藤田:まず、トライアル様に対象店舗を選択いただきました。そして、行動データをもとに、各店舗の来店傾向が高そうなユーザーに対してディスプレイ広告やアプリ内広告を配信しています。
平:クリエイティブは、弊社の強みである価格の優位性を押し出すべく、飲料のセール情報を訴求する内容にしました。また広告を配信する際、お客様にとって煩わしくない広告であることを意識しました。テクノロジー任せにせず、クリエイティブにも細心の注意を払うことが重要だと思っています。
MZ:施策の成果はいかがでしたか。
平:KPIとしていた来店者数が、広告非接触ユーザーよりも広告接触ユーザーのほうが平均7%高い数値となりました。来店回数に関しても40%ほど上昇しましたので、良い結果が出たと評価しています。
MZ:機械学習を活用した配信ということは、実施期間が長いほどデータが集まり、配信精度が上がるのでしょうか?
藤田:そうですね。店舗ごとに配信ロジックが異なるので、期間に応じて配信の最適化は進みます。店舗との距離を起点にフリークエンシーなどを適宜コントロールしています。商圏や年齢などによるセグメントだけで広告配信を行うのではなく、機械学習による自動最適に任せていくというのが効率的だと考えています。