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世界中の欲しいに応える「越境ECビジネス」最前線

【ECサイト海外対応の落とし穴!?】海外ユーザーを阻む3つの壁

越境EC販売に向くモノ・向かないモノ

 海外ユーザーが越境ECで購入する理由について知ったところで、次は、どんなものが売れるのか、言い換えると、どんなものが越境EC販売に向いているのか、向いていないのかが気になるところだと思う。越境EC販売に向いているモノと言えば、前述の通り、「自国で売っていない希少性の高いもの」や「趣味趣向品」がそれにあたる。キャラクターのフィギュア、カメラ、時計等だ。

 逆に越境EC販売に向いていないモノは何か。ここでキーとなるのが「配送料」だ。海外配送料はモノの大きさや重量によって異なり、当たり前の話だが輸送コストに影響する。そのコストを支払うのはもちろんユーザーだ。そのため、配送料が高くなるような“大きくて”“重い”モノは売れにくいのがセオリーと言える。

 しかしながら一括りにしてはいけない事例もある。日本でしか買えないモノで、海外ユーザーが本当に必要としていれば配送料を度外視しても購入されるケースがあるからだ。たとえば、海外製のビンテージギター。もちろん海外で生産・流通しているモノだが、日本で流通するそれは、手入れも行き届き、状態が良いということも相まって、送料としては高くつくが指名買いされている。また日本の武道具であるなぎなた等は大きくて重量もあるが、海外では容易に手に入らないため、送料度外視で越境EC購入されている。

取引禁止とされている商品・素材

 さて、国際物流において、気を付けておきたいことがある。それは、取引禁止とされている商品・素材があるということだ。海外渡航などでなじみがある方もいるかと思うが、代表的な例が、ワシントン条約で禁止された動物の皮製品等がそれだ。他にも法的に配送不可とされるモノについて、代表的なものを挙げておく。

禁制品(各国共通の代表例)
禁制品(各国共通の代表例)

海外配送に適したシステム対応が必要

 このように、法律で配送禁止となっているものについては、越境EC購入ができないことをサイト上で明示する必要がある。そして、海外ユーザーに対しては購入できない商品が元から表示されないようにシステムを組むべきであろう。

 その際、キーとなるのが商品データである。国内ECサイトを海外対応化する場合、日本の商品マスターデータに、「素材データを含む海外配送の可否情報」や海外配送料金の目安を示すための「商品重量情報」等を付与しなければならない。この作業を行わないと、海外配送時に義務づけられている通関書類(インボイス)の作成ができないからだ。数万~数十万アイテムを販売するECサイトにとっては、労力を割く作業になるが、これを乗り越えれば、世界の顧客を相手に商売ができるのだから、前向きに取り組んでほしい。

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この記事の著者

仲里 一義(ナカザト カズヨシ)

株式会社ジグザグ 代表取締役/越境EC専門家
1974年生まれ。ネット広告「オプト」でWebマーケティングに従事し、営業部長や新規事業本部の統括を歴任。その後、越境EC支援と海外転送サービスの「groowbits」代表取締役就任。国際物流を軸に日米韓独とサービス拠点を拡大。爆買いブーム以前から越境EC支援に取り組み、各ビジネスメディアに取り上げられる。2015年「株式会社ジグザグ」を創業。海外通販サイトから、国をまたいで自由にモノが買えないという実体験から、購入者と販売者双方を支援する越境EC支援サービスを開発。国内ECサイトが最短1日で125ヶ国対応可能になる『WorldShopping BIZ』を2017年にリリース。その利便性の高さから国内200サイト超に導入されている。10年以上にわたるウェブサービスや越境ECビジネスの事業経験を元に、メディア取材やセミナー登壇にも応じている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/15 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30457

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