進化するアナログのパーソナライズ
――タイミングマーケティングを行うためのステップがイメージできました。何か補足したい点はございますか?
勘違いしてはいけないのは、各ステージに対してではなく、新しいステージへの態度変容を起こすためにアクションしているということです。認知層にアプローチするのではなく、認知から関心を持ってもらうための施策であるという認識がないと、ただ各層にアプローチして終わりになってしまいます。
――次のステージを消費者に意識させないといけませんね。しかし、最初にアナログでもタイミングに合わせた施策ができるという話がありましたが、本当にできるのでしょうか?
デジタルマーケティングを中心に行っていた方は特にビックリすると思いますが、印刷にもデジタルテクノロジーの活用が進んでいて、これまでデジタルマーケティングで行っていたようなことをDMなどのアナログ施策でも行えます。
たとえば、ディノス・セシールさんの「カート落ちDM」の事例です。同社では、カート落ちユーザーにカート内の商品画像データなどでパーソナライズしたハガキを最短24時間以内に自動で印刷・郵送するという仕組みを作っています。この取り組みは既にEC企業中心にどんどん広がりを見せています。
ただカート落ちしたユーザーに即DMを送ることができるようになったという話でなく、ユーザーの行動をトリガーに、タイミングのパーソナライズを可能にしています。これはアナログ技術の大きな進化だと思います。
印刷技術を店舗・倉庫に導入するという発想も
――DMでもそのレベルでパーソナライズができるのですね。
また、現在実現している企業はありませんが、実現可能なアイデアを一つご紹介したいと思います。
ECシステムやMAツールでデータが統合されていることが前提ですが、とあるお客様が店舗で買い物をしていた時に試着して買わなかった商品があったとします。その後レジで他の商品を購入した際、買わなかった商品やおすすめ商品のクーポンをリアルタイムプリンティング技術で発行する。それで再来店での購入、もしくはECでの購入を狙いつつ、その後アクションが見られなければDMを送る。そうしたオンラインとオフラインを統合したコミュニケーション設計というのも技術的には可能です。
印刷機がレジ横にあればできますし、EC企業であれば出荷倉庫に印刷機を導入すれば、同梱のタイミングでパーソナライズしたチラシを入れることもできるわけです。
――印刷技術を上手く活用すれば、より顧客にパーソナライズした施策が行えるとは、驚きです。
印刷×デジタルテクノロジーが進んだことで「デジタル×アナログ」を統合したコミュニケーション設計がますます行いやすくなっています。この「印刷×デジタルテクノロジー×マーケティング」のさらに詳しい話については、次回お話ししたいと思います。
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畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)
フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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