非効率な打ち手を避けるために
施策を決定する前にもうひとつやっておきたいのが、「競合や同業他社がどのようなマーケティング活動をやっているのか」を調査すること。競合や同業他社のマーケティング活動を調査することで、自社にも有効な施策を見つけられるのはもちろん、競合/同業他社が既に注力していて、自社が避けるべき領域を見つけることもできる。
しかし、損する会社は、競合/同業他社の取り組み状況を調査せず、非効率な打ち手を選択してしまう傾向がある。一例として、「勤怠管理システム」で検索した時の画面を見てみよう。

既に様々な会社がリスティング広告を出稿し、「勤怠管理システム徹底比較76選 」「勤怠管理システム比較48選」などの記事コンテンツが、検索結果の上位にひしめいている。おそらく、今から新しいサイトが「勤怠管理システム」で上位に表示させるには、多くのエネルギーが必要だろう。
得する会社は、競合や同業他社の動向をチェックし、よい打ち手は積極的に取り入れ、競争が激しいエリアは避けながら、自社のマーケティング活動を組み立てる。結果として、適切なCPA、CACで事業を伸ばすことに成功している。
以下の図は、顧客の検討段階ごとに、他社がどのようなマーケティング施策を打っているかを調査したものだ。

「競合B」は、潜在層から明確層まで網羅的にマーケティング活動に投資をしているが、明確層・顕在層への取り組みにはまだ穴があり、特にデジタルマーケティング施策が弱い。このことから、「自社」は明確層・顕在層向けのデジタルマーケティング施策に投資を行うのが得策だとわかる。図のような情報を手に入れるには、
・競合/同業他社のWebサイトの「お知らせ」エリアから、その会社がどのようなマーケティング活動をしているのかを調べる
・競合/同業他社の社名、製品名で検索し、どのようなメディアに、どのような切り口で露出しているかを調べる
・Ahrefsのようなツールを使い、他社Webサイトのアクセス状況や上位に表示されているキーワードを調べる
といった方法が有効だ。
こうした方法から、自社のマーケティング戦略・施策が、競争の激しい「レッドオーシャン」に踏み出すものになっていないか、改めてチェックしたい。
以上、損する会社の特徴として、
・対象顧客が定まっていない
・目標の因数分解をしていない
・適切な施策選定ができていない
・競合/同業他社調査をしてない
を紹介した。逆に言えば、対象顧客を定め、目標を因数分解し、適切な施策を選定し、競合/同業他社の動向をチェックしていれば、マーケティング活動で成果を出すのはぐっと簡単になる。ぜひ、手法やツールを導入する前に、これらの情報を整理してみてほしい。