SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

定期誌「MarkeZine」

第65号(2021年5月号)
特集「今日から始める運用型テレビマーケティング」

定期誌購読者なら
誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

データのノイズとなるアドフラウドは徹底的に排除すべき/Gunosyが挑んだアドフラウド対策とは?

 広告業界を長年悩ませるアドフラウド問題。ここ1~2年で業界全体の危機意識は高まってきたものの、広告主側でリスクを認識し対策に取り組んでいる企業はまだ多くはない。そんな中、Gunosyは2017年からアドフラウド問題に取り組み始めた。そもそも、日本におけるアドフラウドの被害はどれほどの規模なのか。なぜ広告主自らが対策を講じなければいけないのか。アドフラウドを取り巻く状況と対策について、Gunosy 石渡氏とAdjust 佐々氏で対談を行った。

広告予算の20%はアドフラウドの被害にあっている

(左)株式会社Gunosy メディア事業本部 メディア運営推進部プロモーションチーム マネージャー 石渡 貴大氏
(右)adjust株式会社 日本カントリーマネージャー 佐々 直紀氏

MarkeZine編集部(以下、MZ):ここ数年、アドフラウドへの危機意識が、日本においても高まっているように感じますが、実際のところ、現状はいかがでしょうか。

佐々:残念ながらまだ高くはないですね。Gunosyさんのように、かなり早い段階から対策されているところもいらっしゃいますが、それはごく一部の企業です。被害は年々深刻になっているので、リスクを啓蒙していかなければいけないと感じています。日本の場合は代理店文化が強いので、代理店を通じてアドフラウド対策を提供していく枠組みを作っていく必要もあるでしょう。

MZ:自分たちは被害に遭っていないはず、と思われている企業が多いということでしょうか。

佐々:そうだと思います。しかし、今はどの企業も例外なく広告予算のうち平均20%近くは被害にあっています。多いところだと30%に上る場合もあるんです。利用する配信ネットワークによって多少変動はありますが、何も対策をしていない場合は、広告予算の20%は不正業者に盗まれていると考えたほうがいいでしょう。

 昔は不正業者といえばアフィリエイターや媒体がメインでしたが、今は世界各国の犯罪組織が介入してきている状態です。仕組みを作ってしまえば、自動的にお金の流れができてしまう分野でもあり、特に対策が進んでいない日本は狙われやすい。社会的責任という観点からも、自社のお金が犯罪組織に流れないようにしっかりブロックしなければいけないなと。

MZ:なぜ日本ではそれほど対策が進んでいないのでしょうか。

佐々:他国と比べて、日本は信頼の文化が強いからではないでしょうか。あとは、広告全体の効果が悪くなければいいとか、自分たちのKPIが達成していればいいという意識が強いのもあると思います。全体の成果が良いんだから、わざわざ面倒な仕事を増やさなくてもいいのではないかという。

Gunosyがアドフラウドに気づいたきっかけ

MZ:なるほど。そのような意識を持つ企業が多いなかで、Gunosyさんは自らアドフラウド対策に取り組んだわけですね。

石渡:そうですね。アプリのインストール施策はGoogleやFacebookなど大手媒体での広告配信がメインだったのですが、ずっとやっていると天井が見えてきて。2017年5月頃から、海外のアドネットワークも増え始めたので、広告配信先を増やしてみたんです。

 配信先を増やしてしばらくしてから、おかしな数字が発生していることに気づいたんです。私の部署ではアプリのDL数だけでなく、アクティブ率も一貫して計測しているのですが、明らかに挙動がおかしいユーザーが大量に発生していました

MZ:挙動がおかしいというのは?

石渡:たとえば、健全な経路から獲得すると、毎日少しずつアクティブ率が下がっていくのが普通です。ただ、それがある日突然アクティブ率がゼロになったり、7日後にいきなりアクティブ率が80%になったりするユーザーが数百件単位で発生していたのです。当時、アドフラウド自体はなんとなく認識していた程度なのですが、これこそアドフラウドなのではないかと疑い始めたんです。

MZ:Gunosyさんのように、アドフラウドの発生に自ら気付ける広告主は少ないのでしょうか?

佐々:まだまだ少ないですね。インストール後、どのようなKPIを設定しているかにもよります。Gunosyさんのようにインストールからアクティブまで一貫して見て、厳密に数字を見ていれば気づきやすいかもしれませんが、そこまでできている広告主はあまりいません。

 近年は、まるで広告主側のKPIを知っているかのように、回遊率や滞在時間を調整してKPIを達成させ、不正に気づきにくくさせるアドフラウドも出てきていますので、なかなか見分けるのは難しいでしょう。当社ではそのような巧妙な手口にも対応できるよう、詳細なログデータを取れる機能を実装しています。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
アドフラウド被害に気づいた時、会社や代理店にどう説明する?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング