「こんなユーザーに配信しませんか」運用担当から逆提案も可能に
MZ:今回の事例を基に、DANツールのさらなる活用に関して想定されていることはありますか。
馬籠:今回はFacebook広告でしたが、Instagramでも活用いただけます。また、今後はTwitterでも使用できるよう、開発中です。
馬:成果を挙げた事例が増えているので、広告担当者にはぜひ逆提案にも活用していただきたいです。クライアント企業から、「このようなユーザーにアプローチしたい」というご要望を聞くだけでなく、ツールに与件を入れてみた上で、「このようなユーザーにもアプローチしてみませんか」と能動的な提案ができると、より喜んでいただけるはずです。
村岡:広告主にとってはキーワードの良し悪しはゴールではなく、最終的に成果につなげることが重要です。1,000万円で1,000件取れていたものが、DANツールを使って800万円で同じ件数を取れるようになったら、余った200万円で新しいキーワードを取りにいけばいい。そのような逆提案が増えていくと、嬉しいです。
馬籠:今までは、ユーザー分析のスペシャリストに教えてもらわないとなかなか良いキーワードを抽出できないケースもあったと思いますが、DANツールを使えば誰でも良質なキーワードを出すことができます。脱属人化やコンサルタントの質の担保といった面でも、役に立ってくれるはずです。
スピーディーなPDCAを支えるDANツール
MZ:最後に、DANツールの活用も含めた今後の展望をお聞かせください。電通デジタルでは、広告主企業に対して、どのような支援を行っていきたいと考えていますか。
馬籠:やはり、運用効率化は突き詰めていきたいですね。クライアント企業とより深い会話ができるよう、作業に費やす時間を削減したいです。
我々が任せていただいている部分以外にも、クライアント企業には様々な目標があり、課題があります。ただ広告を運用するだけでなく課題解決を考え、より良い提案ができる担当者を増やしていきたいと考えています。
また、これまでも当社と電通イージスネット・ワーク・インドのデータサイエンスチームは、日本の新時代のクライアント企業に最先端のソリューションを提供するために密接に協力してきました。DANツールを使用してネスレ日本様の大幅な改善に成功したことは、国境を越えた両チーム間の親密なパートナーシップの成果の一例だと考えており、今後も連携を強化していきたいです。
馬:ネスレ日本様の運用で、「エビ」や「キムチ」が関連性の高い興味関心層として出てきたように、DANツールは人では想定できないような興味関心層が出てくるツールなので、受け入れられないと感じる企業も多いようです。当社のメンバーでも、活用しきれていない人がいます。まずは社内メンバーの活用レベルを均質化して、誰もが使えるような状態を目指していきます。その上で提案に活かしてもらい、どのクライアント企業にもメリットを感じていただけるようにしたいですね。
MZ:ネスレ日本では、SNS広告運用に関して、今後どのような展開を考えていますか。
村岡:2020年までに、全体売り上げの中でEC比率を20%にまで上げていくという目標があります。そのために、「ネスカフェ アンバサダー」と「ネスレ ウェルネス アンバサダー」は重要なビジネスになります。SNS広告を活用し、しっかり成果を出すために、PDCAを回していきたいですね。
今回の取り組みで、スピーディーにPDCAを回すのにDANツールは非常に有用だということがわかったので、今後はFacebook以外にTwitterなどの他プラットフォームでの展開も視野に入れていきたいです。