データサイエンティスト任せではいられない 疑う心と好奇心が大切
セミナー終了後、ダイクス氏はMarkeZineの単独インタビューに応じ、デジタルマーケターがデータと向き合うポイントについて、次のようにコメントした。

――ダイクスさんはデジタルマーケターとしても活躍されてきたとうかがっています。デジタルマーケターはデータとどのように向き合うべきだと考えていますか。
ダイクス:マーケターやビジネスパーソンは時として「データサイエンスは技術部門の人たちが担うもの」と考えてしまいがちですが、データの重要性はますます増しており、マーケターが扱わなければならないデータ量も増えています。
いまや、データを活かした効果的なコミュニケーションを行う責任は、職種や立場に関係なく、すべての人に生じているといえます。マーケターはより多くのデータに対応すべく、データリテラシーとともにコミュニケーションの方法を学ぶべきではないでしょうか。
――具体的に、デジタルマーケターはデータに関するどのようなスキルを学ぶ必要があるのでしょうか。
ダイクス:ベーシックなデータリテラシーとして、次の4つを身につけるべきだと考えています。
一つはデータに関する知識です。マーケターはまず、KPIに関すること、そして自分の産業領域で頻繁に使われる指標について理解することが大切です。
次に、データをかみ砕く力です。これはデータを見た時に、それが意味しているところを素早く把握し、データがどのように作られたのかわかることを意味します。
データを解釈するスキルも重要です。データからどんなパターンや状況を読み取り、それをどのように変換するかということは、トレーニングによって鍛えられます。
そして最後に、データを疑う心と好奇心を挙げたいと思います。ソースの信頼性やデータの質を確かめること、バイアスがないかどうか、コンテクストを誤っていないかどうかを疑うことが必要です。
チャートや図など、すでに成型されたデータばかりを見ていると、「データからより多くの情報が得られるのではないか」という柔軟な発想が欠けてしまう可能性があります。データに対する好奇心を育てることも大切です。
これらのスキルを駆使して発見したインサイトを、講演でお話したデータストーリーテリングの方法を駆使して人々の感情にも訴えることで、効果的なコミュニケーションが可能になるでしょう。