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Domopalooza 2019

データは「行動の変化」を促さなければ意味がない Domoが提唱するデータストーリーテリングとは

 様々なデータを活用して仕事を行うデジタルマーケターは、数字やグラフの意味するところを他者に伝えたり、統計データを基に議論を行ったりする機会も多いはずだ。そのような時に「正しいデータを示しても伝わらない」「重要な数字なのに理解してもらえない」などと、歯がゆい思いをしたことはないだろうか。本記事では、ビジネス最適化ソリューションを提供するDomoが、「Domopalooza 2019」において共有した「データストーリーテリング」の考え方を紹介。同社の製品にも活かされている、効果的なコミュニケーションの極意をお伝えする。

データは「行動の変化」を促すものでならなければいけない

Domo データストラテジー担当ディレクター ブレンド ダイクス氏
Domo データストラテジー担当ディレクター ブレンド ダイクス氏

 ビジネス最適化ソリューションを提供するDomoは、2019年3月19日から21日(現地時間)、米国・ソルトレイクシティで「Domopalooza 2019」を開催した。19日には、Domoのデータ戦略を担当するブレンド ダイクス氏が、「ストーリーはデータに勝る:データストーリーテリングの力(Stories Beat Statistics:The Power of Data Storytelling)」と題した講演を実施。その後MarkeZineの単独インタビューに応じ、デジタルマーケターが身につけるべきスキルについて語った。 

 ダイクス氏は、デジタルマーケターとしてのキャリアに加え、OmnitureとAdobeではデータサイエンスや分析を経験。現在はDomoにおいて、企業のデータ活用やデータドリブンな組織構築を支援している。米国の経済誌「Forbes」などへの寄稿も精力的に行っている人物だ。

 講演の冒頭で、ダイクス氏が強調したのは「データそれ自体が何かを達成することはなく、データは行動の変化を促すものでなければならない」ということ。マーケティングにおいても、上司やチームメンバーにキャンペーンの効果を伝えることで追加の予算を獲得したり、顧客に対して自社プロダクトの利点を説明し導入を決めてもらったりするなど、データから引き出されるインサイトを正しく伝えながら、相手を説得していく場面は多い。

 そこで効果を発揮するのが、データとビジュアルを組み合わせ、ストーリーとして伝える「データストーリーテリング」だ。

ストーリーは統計に勝る!2つの実験から明らかになったこと

 まずダイクス氏は、ストーリーが人々を強く惹きつける力をもっていることを、「記憶」と「説得力」に関する2つの実験結果を基に示した。

ストーリーはより記憶されやすく、説得しやすい
ストーリーはより記憶されやすく、説得しやすい

 一つ目に紹介された記憶に関する実験は、スタンフォード大学で組織行動論を担当するチップ ヒース教授が行ったもの。コミュニケーションの授業で短いプレゼンテーションを行い、参加者にその内容を思い出してもらったところ、63%の参加者がストーリーを覚えていた一方、統計を思い出すことができたのは、わずか5%に留まった。

 また、説得力を比較する別の研究では、慈善団体のパンフレットを2種類用意し、どちらが多く寄付を集めるか調べた。すると、アフリカの子供たちの窮状に関する様々な統計を載せたパンフレットが平均1.14ドルの寄付を集めたのに対し、マリ出身のロキアという7歳の少女に焦点を当てた物語を載せたものには、平均2.38ドルの寄付が集まったのだ。

 ダイクス氏は2つの結果から、データによって人々の行動変容を促すには、ストーリーの力を借りることが大切だと強調した。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/23 07:00 https://markezine.jp/article/detail/30955

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