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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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イベントレポート(AD)

令和時代のカスタマーエクスペリエンス――オラクルが提唱する「リアルタイムCX」とは

AIを取り入れ、マイクロモーメントで最適な顧客対応を支援

 だがそんなCDPにも課題がある。それはまだ新しいソリューションなので、機能や定義が統一されていないことだ。広告配信用のDMPをCDPとしているケースもあるし、データ分析基盤をCDPとしているベンダもある。

 「これに対しCX Unityは、自社内にあるファーストパーティデータからサードパーティデータ、アノニマスの情報など様々な情報を集約し、AIを活用してデータを分析して顧客理解を深めます。これだけなら従来のCDPと同じですが、CX UnityではさらにCustomer Experience Cloudと連携して様々なチャネルの施策に分析結果をリアルタイムに反映し、CXの向上やLTVの増大につなげることができるのです」(宮川氏)

 CX Unityでは、エンゲージメントの強さといった数値化が難しい物でも、AIで判断してスコアリングし、そこからインサイトを得ることができる。スコアリングしたセグメントごとに顧客の特性が把握できれば、サードパーティデータを掛け合わせて、新規顧客の獲得や広告戦略にも活かすことが可能だ。現在CX Unityは開発中だが、AIに関しては業種別分析テンプレートなども豊富で、導入後すぐに利用できる点もメリットだという。

 またマーケターだけでなく、営業活動でもこのリアルタイム性が遺憾なく発揮されるのもポイントだ。次世代の営業担当者向けUIでは、顧客の行動履歴がタイムラインのように表示される。また「資料をダウンロードした」というような重要行動を取った場合は、AIが営業担当者に電話をかけるようにレコメンドし、CTIと連携していれば画面UI上から直接電話をかけるなど、顧客のマイクロモーメントを逃さず、効率的かつ最適できめ細やかな営業活動を実践可能になる。電話後のお礼やフォローメールの作成も自動化され、営業担当者の負荷を軽減しつつ顧客とのエンゲージメント強化につなげる。

 またBtoBの企業情報を集約し、営業用のナレッジとして自動的に情報を提示するOracle DataFox(※)も搭載するとのこと。あらゆる角度から「マイクロモーメントをつかみ最適な対応」を支援することで、CXを強化する構えだ。

※Oracle DataFoxについてはこちらのプレスリリースをご確認ください。

日本企業が世界の最先端マーケティング企業に追いつくには

 最後に登壇したのは、アンダーワークス シニアコンサルタントの赤木一平太氏。アンダーワークスはデジタルマーケティング分野のコンサルティングファームであり、戦略立案からデータ統合、MAツールの導入、活用まで幅広い事業を手がけている。「マーケティングテクノロジーカオスマップJAPAN」の提供元としても名高い。

 赤木氏は2017年から同社のコンサルタントとして勤務し、Oracle Eloquaのプロフェッショナルとして数々の企業を支援してきた。ラスベガスのModern Customer Experienceへの参加は、今回が初めてだという。最後のセッションでは、そんな赤木氏が、今回のラスベガスのイベントで感じたことや得た知見を余すことなく語った。

アンダーワークス株式会社 シニアコンサルタント 赤木 一平太氏
アンダーワークス シニアコンサルタント 赤木 一平太氏

 赤木氏がこのModern Customer Experienceに参加して驚いたことは、とにかく「華やか」であること。「ビジネスイベントなのか、それとも映画や音楽アワードの会場か」と見紛うほどに華やかで、堅苦しくなく、それが良い雰囲気を醸し出していたという。

 そんな赤木氏がイベントを通じて感じたことは、「CX向上を考えると、顧客データの統合はもはやトレンドではなく、インフラになる」という“予感”だ。カオスマップの例を出すまでもなく、顧客接点がデジタル化することで様々なデータが取れるようになり、それに呼応するように多種多様なベンダーがツールを提供している。赤木氏もかねてより「ツールによる顧客接点の個別最適が進むことで、顧客に対する一貫したメッセージやパーソナライズからは遠ざかってしまうのでは」と感じていたそうだ。

 そうした懸念に応えるように、イベントで詳細が発表されたCX Unityには「可能性を感じるし、期待もしています」と評価する。

 またMarkie Awardにも参加し、最優秀賞を受賞した先進企業の取り組みを聞いたところ、「やはり日本と世界の最先端企業の間には差がある」と実感したという。「多くの日本企業では、MAツールの選定に1年以上費やしたり、導入したけれど使えなかったり、メール配信以上のことができていなかったりと、なかなか先に進めなくて困っているようです。この停滞を打破し、先進企業に近づくには、トライアンドエラーを繰り返して一歩一歩進むしかありません」と赤木氏は言を強くする。

 たとえ失敗しても、一つでも何かを実行すれば改善すべきポイントは見えてくる。赤木氏は「試行錯誤をし、示唆を得ることが、今日本のマーケターに必要なことかもしれません」と話し、講演を締めくくった。

・【オンデマンド版】Modern Customer Experience 2019フィードバックセミナー Part. 1
・【オンデマンド版】Modern Customer Experience 2019フィードバックセミナー Part. 2

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/09/02 10:04 https://markezine.jp/article/detail/31058

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