他の動画プラットフォームにも訪れるVlogトレンド
YouTube以外のSNSでも、Vlogはトレンドになりつつあります。若年層を中心に人気のTikTokでは、2019年5月から「#ムービーストーリーズ」でVlogの募集を開始し始めました。
チュートリアル動画もあり、最大12枚のビデオクリップを選択して最初の動画を2秒に、以降の動画を0.5秒に編集することで手軽にVlogを制作できることから人気となり、投稿数を伸ばしています。
また、TikTokのVlogで人気となっている韓国のインフルエンサーをお手本に、投稿のクオリティを上げるためのアドバイスも提供するなど、プラットフォームとしてリップシンク動画に次ぐコンテンツにすべく、Vlogに注力している様子がうかがえます。
女性向けの動画プラットフォームとしては、日本国内ではInstagramのストーリー機能を活用した撮影・投稿が主流となっていますが、Twitterでも2019年3月に新たなカメラ機能が発表されました。そもそもVlogは複数の短尺動画をつなぎあわせて1本の作品を制作するものですが、今後はInstagramやTwitterなどの短尺動画プラットフォームでも、Vlogのトレンドが広がっていくことが予想されます。
コンテンツを“探す”日常へ
非日常な企画を立てて撮影・編集をする人気YouTuberの台頭、日常をリアルタイムで投稿するInstagramストーリーズの普及に次ぐ動画トレンドと言えるVlogは、日常を切り取り編集して公開する点、おしゃれな世界観で憧れを喚起するという点など、Instagramとの共通要素が多くあります。
Instagramが女性向けデジタルマーケティングを席巻した背景には、ブランド価値を損なわない世界観の担保と、憧れを喚起することでダイレクトに消費につながりやすいという点にあります。そして共通要素の多いVlogは、Instagramに次ぐ存在になる可能性を秘めているのです。
動画であることでよりイメージが具体化され、Vlogで紹介されていた画を求めてショッピングをしたり、食事をしたり、旅をしたりするなど、憧れを実現するための“憧れ消費”が生まれる。企業がそれをマーケティングに活用する際には、Vlogの作り手であるインフルエンサーのパーソナリティや世界観・クリエイティビティを、これまで以上に正しく理解しサポートすることが欠かせないと言えます。