「女性×動画」の最新トレンド
動画=男性向け、若年層向けというイメージは遠い昔の話となり、今や女性マーケティングを語る上で動画の活用は欠かせないものとなりました。
本コラムをさかのぼってみても、2017年7月の記事「“動画”=“男性”は過去の話!女性マーケティングにおける動画活用の秘訣とは」ではInstagramのストーリー機能の登場で女性に動画が浸透したこと、そして2018年8月に公開した「動画は『見る』から『〇〇する』時代に!『ムービーネイティブ世代』に向けた女性マーケティング術」では、見るだけでなく自ら撮影する“ビデオグラファー女子”が急増していることなどをお届けしてきました。
2020年には、5Gの実用化が始まるのではないかと言われています。読み込みに時間をかけず動画をストレスフリーに視聴できる環境になることに照準を合わせ、プラットフォーム側も動画の作り手であるインフルエンサー側にも新たな動きが見られ、動画のトレンドがまた大きく動き出しています。中でも私が注目しているのは、「Vlog」です。
注目トレンド「Vlog」とは
「Vlog」とは、「Video」と「Blog」からできた造語で、文章の代わりに短い映像を用いて公開する動画ブログのことを指します。海外では以前から主流のジャンルであり、企画に基づいて制作される動画と異なり、あくまでも日常の様子がおしゃれに、カッコよく撮影・編集されていることが特徴です。
このVlogブームの火付け役と言えるのが、元AKB48の小嶋陽菜さん。5月にYouTubeチャンネル「HARUNA KOJIMA's cat nap」を開設したところ、日常の記録を動画で綴ったコンテンツが話題を集め、チャンネル登録数は4万6,000を超えています(※5月28日現在)。
また、Vlogが注目を集めるきっかけとなったのが、YouTubeのチャンネル登録者数が20万以上(※5月28日現在)の、in living.(いんりびんぐ)さんが投稿するモーニングルーティン動画。このモーニングルーティンとは、起床してから家を出るまでの毎朝の様子を記録したコンテンツのことで、YouTube内の新たなジャンルとして確立されつつあります。
in living.さんの動画が人気を集めるのには理由があります。それは、何気ない日常の様子の中に「おしゃれで自然体」という女性が憧れる要素が含まれているからです。
これまでYouTubeの投稿はプラットフォーム外の編集ソフトで編集されることが多く、人気YouTuberの動画のように字幕やBGM、効果音を挿入するものがメインでした。また、YouTuberは親近感やキャラクター、企画の面白さや独自性などが人気のポイントとなっていました。
これに対しVlogでは、最小限の編集で企画モノではない日常のありのままの様子が投稿されています。その動画に流れる空気感や世界観への共感と憧れが、女性たちの支持を集めているのです。