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西口一希と考えるマーケティング視点の経営

「パラレルキャリアで複数事業に成果を生み出す」スマニュー西口×シンクロ西井対談


 本連載では、スマートニュースの西口一希氏が経営者やCMOなどマーケティングそしてビジネスの最前線で活躍する人物を訪ね、「マーケティング視点の経営」についてディスカッションする。今回は、豊富なECとデジタルマーケティング経験を活かし、オイシックス・ラ・大地CMTの傍らで自身の会社も経営する西井敏恭氏を迎え、マーケターのキャリア形成について掘り下げる。

CMO+他社支援の“パラレルキャリア”

オイシックス・ラ・大地株式会社 CMT(チーフマーケティングテクノロジスト)/株式会社シンクロ 代表取締役社長 西井敏恭氏(写真左)スマートニュース株式会社 執行役員 マーケティング担当 西口一希氏(写真右)
オイシックス・ラ・大地 CMT(チーフマーケティングテクノロジスト)
シンクロ 代表取締役社長 西井敏恭氏(写真左)
スマートニュース 執行役員 マーケティング担当 西口一希氏(写真右)

西口:今回は、ずばりマーケターのキャリア形成をテーマに、西井さんをお迎えしました。西井さんはオイシックス・ラ・大地のCMT(チーフマーケティングテクノロジスト)を務めながら、自身の会社であるシンクロで複数企業のデジタルマーケティングを支援されています。もう5年くらい、今の働き方なんですよね?

西井:そうですね。今はシンクロのメンバーも増え、10社ほどクライアントがいますが、ほとんどがシンクロの初期からお付き合いしている会社です。アドバイスやプロジェクト単位だけでなく、僕が経営メンバーのように入らせてもらっていることもあり、支援する内容は年々深くなっていますね、

西口:オイシックス・ラ・大地(以降、オイラ大地)の仕事は、どのくらいの割合なんですか?

西井:オイラ大地には大体週2.5日で出勤しています。残り3日、というか週末も含めて残り4-5日がシンクロです。なので、オイラ大地のCMTとしては3割くらいです。

西口:西井さんの働き方は、大きくは“副業”なんですが、メインとサブがあるのとはちょっと違うんですよね。CMOレベルでしっかり事業主サイドに軸足を置いてPL責任を持ちながら、企業の内部に入って支援もするのが特徴的です。異なる仕事を等しく同時並行で進める“パラレルキャリア”と言えるのかなと。僕もスマニューのCMOをしながら自分の会社でコンサルティングや投資をしていますが、西井さんはそういう動きの先駆けであり、ひとつの理想形だと思っています。

 まずは、社会人のスタートからここまでのお話をうかがえますか? 西井さんは旅の本を書かれるくらい旅好きで有名ですが、駆け足で(笑)。

ホームページを更新しながら世界一周

西井:駆け足にしないと旅の話だけで終わりますからね(笑)。僕は福井県の田舎の出身で、たまたま理系だったので地元の金沢大学で土木建設を勉強していたんです。海外にも全然興味がなかったんですが、一度行ってみたらドはまりして、旅行をしたいがために大学院に進んで、海外で働きたくて海外支社のあるゼネコンに内定をもらいました。

 でもそこが、僕が入社する年に海外から撤退してしまったので、行くのをやめて。1年間、昼夜バイトをしまくって200万円貯めて、世界一周の旅に出ました。ちょうど2000年くらいですね。で、以前の旅で知り合った人が旅先からホームページを立ち上げていて、それを日本で読むのが楽しかったので、僕もやろう! と思って。当時出始めていたネットカフェから、htmlを書いてせっせと更新していたんです。

西口:そこが、ネットとの出会いだった?

西井:そうですね。今でこそネットでの発信は珍しくないですが、当時は自分のサイトをもって旅先から更新している人なんか少なくて、掲示板に「おもしろいからもっと旅して」「帰ってくるな」とか書かれたりしていました。

 結局2年半旅をして帰国したら、旅先でちょっと会った人が、僕が掲示板に書いていた「Webの仕事したいな」というのを見て「うちで働かない?」と連絡をくれたんです。それがECの会社でのマーケティングの仕事で、僕のマーケター人生のきっかけになりました。

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この記事の著者

西口 一希(ニシグチ カズキ)

大阪大学経済学部卒業、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)マーケティング本部に入社。ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任。ロート製薬 執行役員マーケティング本部長として「肌ラボ」「Obagi」「メラノCC」「デオウ」「ロート目薬」などの60以上のブランドを統括。ロクシタンジャポン代表...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/07/11 17:43 https://markezine.jp/article/detail/31299

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