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ホリスティック・マーケティング入門 ~PGMから始めるWOMマーケティング~

第1回 PGMとはなんだろう?


あなたのPGMを構築しよう

 企業が正しくCGMとコミュニケートする方法はあるはずです。それは自社の味方のメディアを作ることです。それを筆者はPGM(Patner Generated Media)と呼んでいます。

 PGMの考え方はシンプルです。それは言葉の通り、「消費者(Consumer)」から「パートナー(Partner)」へ認識を改めることから始まります。

 CGMを構成する人々を「消費者」ではなく、製品開発や商品販売、さらにはブランディングにおける「パートナー」として捉え直し、彼らと協調、共栄することを目標とします。そのためには「適切な人に、適切な手段とタイミングで、適切な内容のメッセージを伝える」というマーケティングの原点に戻ることが重要なのです。

 PGMを構築するにはまず、企業はコミュニケーションする対象者を既存顧客、ファンに絞ります。マスマーケティングに慣れた方には対象を絞るというのは不安かもしれませんが、広告がクラッター化してきている現在、あえて対象者を絞る勇気は必要です。

 限定した人に対して、より深くコミュニケーションを取る、それによりムダうちがなくなるだけでなく、やらせを排除することができます。また、彼らはブランドや商品・サービスの知識があるので、誤った情報やネガティブな反響が少なくなります。情報を大事に、丁寧に世の中に出すこと、これがファースト・ステップです。

 そして、パートナーの数を大きくしていくために、継続的に情報を提供していきます。ここで重要なのはブロガーに提供するのはあくまでも情報であって、決して金銭は支払わないことです。たとえば商品サンプリングや発表会への招待などの体験も情報のひとつといってもいいでしょう。

 また、彼らへの情報提供をネットだけに限定しないことです。メディアには得手不得手がありますから、ネットやテレビ、店頭やイベントも含めて、対象者が接触するすべてのメディアを組み合わせてメッセージを伝えていくべきです。まさにこれこそが本コーナーの主題である「ホリスティック・マーケティング」です。

 このようにすることで、少しずつ自社の味方メディア(PGM)を構築します。最初は小さく始めることになりますが、それでも最終的には大きなパワーを手にすることができます。企業とブロガーの健全なコミュニケーションが、一朝一夕にできるわけがないのです。

 CGMは良くも悪くもただのメディアです。しかし過去のどのメディアとも異なるメディアです。電話やメールが登場した時のように、企業はこの新しいメディアに適応しなければなりません。

 そのためには、やみくもに巨大なCGM全体を相手にするのではなく、まずはしっかりと対話のできるパートナーを見つけることから始めましょう。それがPGMの考え方です。

 ぜひあなたの味方、PGMを構築できるようにがんばってください。きっと大きなパワーをあなたに与えてくれるはずです。

 次回は、PGMらしい事例をいくつかご紹介していきます。

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この記事の著者

河野 武(コウノ タケシ)

1974年7月3日生まれ。立命館大学経済学部卒。コミュニケーション・デザイナー。マーケター。企画屋。
1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知ら...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/11/24 12:47 https://markezine.jp/article/detail/312

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