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私のキャリア

ファンマーケターとは、ファンとともに動く人

自走していくファンと一緒に動きたい

――よなよなエールFUN×FAN団として、現在はどのようなお仕事を?

 正直なところ、まだ何もしていません。てんちょからは「好きなことをしてください」と言われましたが、よなよなエールFUN×FAN団が手がける超宴や醸造所見学ツアーなどの担当者として、迎えられたわけではないんです。「てんちょは、どんな意味で“好きなことをして”と言ったのだろう」と、日々考えているところですが、最近「私がやるべきことだ」としっくり落ちてきたことがあります。それが「ファンマーケター」になることです。

 熱狂的なヤッホーのファンから社員になった私だからこそ、ファンの気持ちに寄り添える存在になれると思ったのです。実は、ヤッホー入社前の内定時期に、ファン主催イベント「超ファン宴」の幹事を務めたことがあるのですが、その際、ファンとして少し不安になる出来事がありました。「超ファン宴」はファンが自発的に企画し、ヤッホーの社員も招いて開催したイベントなのですが、ヤッホーが公式にイベントについてコメントすることがなかったため、「もしかしたら、ファン企画は迷惑だった?」と不安になったのです。入社後に、「すごく嬉しかったけど、ファン同士で盛り上がるのが楽しいのだろうと思い、あえて介入しないようにしていた」という、ヤッホー側の気持ちを知ることができましたが、ファンとしては、公式に「嬉しいです」と意思表明してくれたほうが、堂々としていられたのです。

――ファンと企業のコミュニケーションに、ズレを感じられていたのですね。

 最近、「ヤッホーっていいよ」と薦めてくださる熱狂的なお客様・トップファンの行動フェーズが変わってきています。ファン主催のイベント「ファン宴」「超ファン宴」が誕生したように、ヤッホー主導の囲い込みマーケティングから、ファンが自走し始めているんです。私は社員ですが、今もヤッホーのファンであることは変わりません。ファンと社員の間という立場から、ファンがやりたいこと、ヤッホーがやりたいことをオープンに語り合える場を作り、一緒に活動していきたい、そう考えています。「ファンマーケター」という肩書きは、ファンマーケティングだけでなく、「ファンと一緒に行動していく人」というダブルの意味を込めて、自分で決めました。

自分自身を見つめ直すきっかけとなった、2つの出来事

――これまでに、百貨店の外商からWebマーケター、広報と様々なキャリアを歩まれていますが、ターニングポイントとなった出来事は?

 トレタには創業初期に入社し、4年間を過ごしましたが、最後の年は人生の一大ターニングポイントでした。中村さん(トレタ代表取締役・中村仁氏)から、「ちょっと変わりたくないか?」と声をかけられ、コーチングを提案されたのです。私は性格に裏表がなく、人に話せないことがないタイプ。「開いている人間」なんです。それ自体は問題ないのですが、相手にもそれを求めてしまうところがありました。そのような性格を中村さんも気づいていたらしく、「成果は出しているのに、コミュニケーションで損をしている。これを解決したら、もっと周りの人から評価され、能力もさらに伸びるのではないか」と、アドバイスをいただいたのです。本人に苦言を呈するのは、言う側もストレスです。とてもありがたく、さらに成長してより自分らしく生きたいと、コーチングを受けることにしました。

――自分自身の課題と向き合うのは、大変ではありませんでしたか?

 確かに耳が痛いですが、それよりも、私は根っからのマーケターというか、「課題解決」が大好きなんです(笑)。自分自身の課題が見つかると、「絶対に克服してみせる!」と燃えましたね。コーチングでは「他者からの評価を正しく知る」「アドバイスを受け止めるマインドの作り方」など、これまで考えてもみなかったことをたくさん学ぶことができました。今も半年に1度、周りの人に「私についてどう感じていますか?」「今後、何をしたらいいと思いますか?」と、自分のことをヒアリングする機会を作っています。

 そして、もう1つ大きなターニングポイントがあります。今年の3月、軽井沢でスキー中にケガをしたことです。頭を強く打ち、しばらく入院もしていたのですが、この出来事で「昔の自分はちょっと異常だった」と思うほどに、価値観がすごく変わったんです。ケガの影響で、前よりも考えるのに時間がかかり、疲れやすくなりました。でも、そうなってはじめて「人にはそれぞれのペースがある」ということが、本当の意味でわかるようになったのです。たとえば、以前までは「メールは即レスがベスト」と、自分に対しても、人に対しても思っていたのですが、今では、「これはあとで返信しよう」と、自分にあったペースで働くことができるようになりました。恐ろしい出来事でしたが、自分自身について、また人生についてあらためて考えるきっかけにもなったと感じています。

人にきっかけを与えられる人になりたい

――最後に、今後チャレンジしたいことを教えてください。

 半年後くらいには、私が形にしたいファンマーケティングについて、お話しできるぐらいになりたいです。ファンマーケティングは、他の企業からの関心も高く、ヤッホーで既に起きている「ファンの自走」は、マーケティングのアピールにもなると考えています。でも個人としては、「自分はこうなりたい」という希望はあまりありません。最初に思うことは、「人のためにできることはなんだろう?」なんです。現在関わっているファンマーケティングをマスターできたら、チームビルディングに取り組んでみたいと考えています。スキルアップではなく、その人らしく生きる、働けることを実現する組織作りがしたいです。

 そんな思いもあって、昨年はPRとコミュニケーションのオンラインサロン「でんこラボ」をスタートしました。私の行動の根源には、「人にきっかけを与えたい」という思いがあります。その人が自分らしく生きるようになることが、私の活動する意味であり、すごく嬉しいと感じることなのです。まずはオンラインサロンをそんな場にして、活動の幅をより広げたいと考えています。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/01 12:02 https://markezine.jp/article/detail/31349

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