広告・マーケティング業界で活躍する人物の職業人生、キャリアを伝える本連載。今回は、ヤッホーブルーイングの田美智子氏を紹介する。百貨店勤務を経て、ITベンチャーのWebマーケティングや広報として活躍してきた田氏は、フリーランスへ転身後、ヤッホーブルーイングに入社した。元々同社の熱狂的なファンであったという田氏が考えるファンマーケティングと、彼女の価値観を変えた2つのターニングポイントとは。
※本記事は、2019年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』42号に掲載したものです。
ファンイベントで「恋」に落ちた

株式会社ヤッホーブルーイング よなよなエール FUN×FAN団 ファンマーケター 田 美智子(Michiko Den)氏
北海道出身。新卒で三越に6年間勤務後、オイシックスでWebマーケティングを担当。その後、飲食店向け予約管理システム・トレタへ転職。広報ブログが注目を集める。フリーランスを経て、2018年にヤッホーブルーイングへ入社。趣味は、野球観戦と排水溝掃除。PRとコミュニケーションについて考えるコミュニティ「でんこラボ」主宰。
――トレタの名物広報として活躍後、フリーランスを経て、ヤッホーブルーイング(以下、ヤッホー)へ入社された田さん。以前から、ヤッホーのファンだったとか。
初めててんちょ(ヤッホーの社長・井手直行氏のニックネーム)と会ったのは、2016年のことです。当時トレタにいた私は、広報の傍ら、飲食店の未来をITとともに考えるカンファレンス「FOODIT」の担当をしていました。その登壇者を探していたところ、てんちょの著書『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります』(東洋経済新報社)の出版記念イベントを知ったのです。「おもしろいビールを出すヤッホーの社長って、どんな人だろう。登壇は頼めそうかな?」と好奇心から参加したのですが、そこには衝撃的な光景が待っていました。イベントは、ヤッホーのファンも参加するオープンなもの。会場では、みんながビールを飲み、山積みにした空き缶を、「飲んだよ」とてんちょに向かってアピールしているんです。もう、「なんだこの会社は!?」となりました。書籍もすごくおもしろくて。8年連続赤字という会社の低迷時期も、てんちょ自らがマーケティングの基礎を押さえた施策を実行し、立て直してきたという物語に、「井手さんは、アクションを起こせる人なんだ」と強く印象に残りました。またWebサイトを見ると、ヤッホーで働く社員が顔を出して登場し、楽しそうに仕事をしています。その様子から、「多様性がある会社だな」と感じました。でも、その時はあくまで「おもしろい」と感じただけでしたね。私がヤッホーという会社に「恋に落ちた」のは、2017年に行われたファンイベントでした。
――ヤッホー主催、「よなよなエールの超宴」ですね。
そうです。会場には、ヤッホー好きが全国から集まり、おそろいでヤッホーのTシャツを着て、一緒に写真を撮るファンのハッピーオーラが充満していました。みんなで乾杯をした時の、嬉しそうな一体感。そして、てんちょがトラクターの荷台に乗って登場し、大喜びするファンの姿。行われたライブやイベントも、すべてがピースフル。そこには、私が知らない世界が広がっていました。この時の体験が、私をてんちょのストーカーにさせました(笑)。それからは、とにかくヤッホーの話が聞きたい一心で、てんちょが登壇するカンファレンスに通いつめました。
――井手社長曰く、田さんは「2017年に社外で一番会った人」だそうですね。
はい(笑)。そんな関係でしたから、フリーランスとして独立したあとも連絡は取っていたんです。フリーランス時代は、実験イヤーとして新しい働き方に挑戦していましたが、あるときてんちょから「家族になりませんか」とメッセージが届きました。ヤッホーには、「顧客は友人、社員は家族」というバリューがあります。「一緒に仕事をしましょう」と誘われ、すごく嬉しかったですね。また、ヤッホーには東京と軽井沢の両方に、オフィスがあります。多拠点で仕事をしてみたいと思っていたこともあり、入社を決めました。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
新規会員登録無料のご案内
- ・全ての過去記事が閲覧できます
※プレミアム記事(有料)は除く - ・会員限定メルマガを受信できます
- ・翔泳社の本が買える!500円分のポイントをプレゼント
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
マチコマキ(マチコマキ)
広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
