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激動の時代だからこそ、自分の使命感に従え WHITE代表・神谷氏が語る「広告人のネクストキャリア」


広告人は、イノベーションが起こせる

 ここで、これまでの神谷氏の話をまとめる。

 産業構造が変わり、広告市場が伸び悩む時代において、広告人はこれまでのスキルだけでは立ちゆかなくなる。そのような中、神谷氏は自身の成し遂げたいことに気づき、新規事業開発に活路を見いだした。

 しかし、広告人としてのキャリアを、簡単にチェンジできるものなのだろうか。この疑問に、神谷氏は「イノベーションは起業家だけのものではない」と語る。

 「新規事業開発をビジネスとするならば、誰でもイノベーションを起こせ、再現性の高い仕組みにしなければなりません。WHITEは、スーパーマンではなくても、イノベーションは起こせるのではないかという問いからスタートし、ノウハウを体系化することから始めました」

 神谷氏は、タレント依存を避け、均質性があり、チームで動いていく組織作りに注力する。「プロジェクトで得た知見のフレームワーク化が、自社の生命線である」と強い意志を持ち、徹底的に仕組みを作っていった。目指すは、「スタートアップ型のデザインカンパニー」だ。

 こうしてWHITEは、新規事業開発をプロセス化した「サービスデザインナビゲーター」や、事業とは正反対のターゲットからインタビューを行い、価値を多角的に見つけていく「リサーチレンズ」、「デジタル・トランスフォーメーションレンズ」などの、オリジナルのフレームワークを開発していく。フレームワークが整うと、PMやサービスデザインの仕事が定型化する。すると、メンバーのジョブチェンジがスムーズに行える環境へと、変わっていったという。

フレームワークの一例:事業・サービスを抽象的に捉え、新しい視点を体験価値に活用する「デジタル・トランスフォーメーションレンズ」
フレームワークの一例:事業・サービスを抽象的に捉え、新しい視点を体験価値に活用する「デジタル・トランスフォーメーションレンズ」

 また驚くことに、外部からサービスデザイナーを招いたわけではない。

 2年足らずでなぜ、広告代理店からイノベーションデザインカンパニーへと変化を遂げることができたのか。その理由を神谷氏は、「全員が広告人だったから」と話す。

 「全員が、サービスデザイン初心者でした。まずは本を読んで知見を学び、実際のプロジェクトを通してPDCAを回し、フレームワーク化、共有していったのです。このサイクルを通して、それぞれの職務を徹底的に広げていきました。日々の仮説立案や検証といった広告人としてやってきたことが、新規事業開発にもつながったのです」

変化を楽しみながら、変化を作る人になろう

 神谷氏が考える、広告人のネクストキャリア。それは、「自分がやりたいこと、使命感に従って決めていくこと」だ。

 「『新しい、を価値にする』をミッションに、僕は世界をより良くしていくことに関わりたいんです。しかし、イノベーションなくして世界は変わりません。だからこそ、イノベーションやそのタネとなる新規事業を多く生み出さなければ、世界は変わっていかないという課題意識を持っています」

 もはや、広告を打つだけでは売上は上がらない。新しい価値、そして世界に共通する価値を作らなければ、日本企業は生き残れない。それを真剣に考える企業が増えてきたからこそ、神谷氏らも新しいビジネスに挑むことができている。

 「WHITEのコアバリューに『変化を楽しみ、変化をつくる。』があります。世の中は変化していきますが、自分たちが意図的に変えていく要素も意識し楽しみながら、新しい価値を作り続けていきたいです」

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/07/09 16:37 https://markezine.jp/article/detail/31423

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