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「私がメーカー担当者ならメルカリを見る」二次流通を踏まえたマーケティングに必要なこと


 メルカリなどフリマアプリの台頭により、多くの企業にとって二次流通プラットフォームは無視できない存在となった。CtoC市場が急成長する中、ブランド企業はどう向き合えばいいのか。国内フリマアプリ最大手のメルカリでシニアマーケティングディレクター(2019年6月時点)を務める南坊氏に、ブランドと二次流通プラットフォームが良好な関係を築くコツを聞いた。

二次流通が生活に浸透

MarkeZine編集部(以下、MZ):最近取材をしていく中で「企業は二次流通プラットフォームと向き合うべき」といったマーケターの声を聞くことがあります。メルカリの立場としては、どのように考えていますか。

南坊:生活に二次流通が溶け込み始めているため、そのような意見を聞くことはあります。当社の調査を見ていても、購入時に「中古でも構わない」と考える方が増えてきています。「中古」や「古着」ではなく「二次流通品」として捉え、購入時の選択肢の一つとして捉えるようになっているのかなと。

株式会社メルカリ シニアマーケティングディレクター 南坊 泰司(なんぼう たいし)氏

MZ:確かに、二次流通品=古いというイメージが薄れている印象があります。

南坊:メルカリでは新品や未使用品、使用頻度が1~2回というものも多く出品されています。そういった点からも利用が進んでいる部分もあります。

 また、二次流通は購入時以外にも影響を与えるようになっています。所有時に「今自分の持っている商品はどのくらいの価値があるのか」を気にすると思いますし、売却時にも「メルカリならいくらで売れる」といったことを考えると思います。まだまだ進むとは思いますが、そのくらい二次流通プラットフォームが生活に浸透し始めているのだと思います。

メルカリで取引されやすいブランドとは

MZ:ちなみに、どういったブランドが二次流通されやすいというポイントはありますか。

南坊:2つあると思っています。一つはユニバーサル性、もう一つは普遍的なブランド力です。

 ユニバーサルとは、年代、性別に関係なく幅広い層が長く使える商品を指します。機能性が一定あり、ものに強い価値がある、たとえばスマートフォンや家電などの多くはこちらに当てはまると思います。

 メルカリの中で流通量が最も多いブランドはユニクロなのですが、同ブランドの服はほとんどの方が着たことあるはずですし、自分のサイズ感も理解している。このように誰でも購入しやすいものは流通しやすいですね。

メルカリの取引ブランドランキング TOP10(集計期間2018/04/01~2019/03/31)

MZ:もう一つの普遍的なブランド力というのは?

南坊:普遍的なブランド力というのは、機能というよりブランド自体に愛着を持たれているということを指します。先ほどのランキングを見ると高級ブランドもランクインしていますが、どのブランドも非常に長い歴史を持っていますよね。このように、長く生活者から愛されているブランドは流通されやすいと思います。

MZ:なるほど。しかしながら「二次流通が広がっていくと、うちの収益が落ちるのでは」と危惧しているブランドもあると思いますが、その点はどのように考えていますか。

南坊:むしろ、二次流通は一次流通の売上と補完関係にあると思っています。たとえば、あるアパレルブランドで購入した洋服をメルカリに出品し、売却して得たお金でまた同じアパレルブランドの新作を購入する方も一定数いらっしゃいます。

 また、我々の調査では二次流通プラットフォームを利用するようになって、一部新品購入時の単価が上がったというデータも出ています。後で二次流通プラットフォームに出品してリターンがあることを見据えているので、前なら躊躇した高額商品にも手が出せるようになったのです。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/07/30 12:59 https://markezine.jp/article/detail/31436

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