米国のZ世代の特徴は、日本とは異なる
Z世代の生活者は、その国独特の特徴をもっています。たとえば米国のZ世代の特徴としては、「Gametime」というアプリが急成長している点に表れています。

このアプリは一言で言うと「オンラインダフ屋」です。たとえばアメリカンフットボールの試合のチケットは、普通に購入するにはZ世代のお財布事情からすると高額です。一方で運営側は、空席が出るくらいなら安くても販売したいというニーズがあります。
このGametimeはアプリ説明文に「Last minutes tickets」と書いてある通り、試合開始後でも安価にチケットがアプリで購入できるというもので、上記の双方のニーズをデジタルで解決しているサービスです。ビジネスそのものに目新しさはないものの、米国のZ世代の利用者数の増加が目立つことから、米国のZ世代のニーズについて仮説を立てる有用なファクトの一つになるでしょう。
ファクトベースで生活者のインサイトを仮説立てする
このように、Z世代については様々な情報が流れているものの、ファクトに基づいていない情報が往々にしてあります。
2019年1月にApp Annieが発表した『モバイル市場年鑑 2019』によると、日本のユーザーは平均で1日のうち約3時間はモバイルに費やされていますが、Z世代においてはさらに多くの時間がモバイルに割かれています。この「モバイルに割かれている時間」は、無意識化の生活者の習慣を表しています。「どのアプリを習慣的に開いているのか」という点に着目することで、自ずと生活者の嗜好やライフスタイルをファクトベースで組み立てることができます。

あらゆるデータが取得できるようになった今、Z世代に限らず、先入観や思い込みを排除し、ファクトベースで生活者を正確に理解することが大切です。さらに、モバイルにおける生活者の嗜好やライフスタイルのトレンドの変化は非常に早いため、最新のユーザー行動を示すデータをもとに、その都度適切なマーケティング施策を考えて実行することが必要です。