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「三ツ矢サイダー」の事例に学ぶ、売上増加に寄与するTwitter活用術


新商品の販売への影響は?

MZ:「三ツ矢の日」キャンペーン後に発売した新商品の購買にも良い影響はありましたか。

須藤:はい、 SCIモニターのうち「三ツ矢の日」キャンペーンに触れた人の購入率はそうでない人の約1.4倍、キャンペーン関連の投稿をした人にいたっては約3倍高い数値になっていました。販売本数自体も、2018年同時期に発売した商品と比べて高い数値を記録しています。

高橋:新商品を発売する際、通常は発売日近辺からマス広告を打ち、一気に認知を拡大して購買数増加につなげます。そのため、発売直後をピークに売上は減ってしまうことが多いのですが、今回発売した「三ツ矢レモネード」は減り方が緩やかだったんです。

 この要因の一つとして、「三ツ矢の日」キャンペーンにより、ユーザーエンゲージメントが向上した結果があるのではないかと考えています。一気に露出を増やすマス広告に頼るだけではなく、SNSを通じてユーザーとの距離を縮めることも大事だと実感しました。

MZ:様々な成果が出ている中で、今回最も収穫があったと感じている部分はどこでしょうか。

高橋:「三ツ矢サイダー」の購買モチベーションを向上させることができたのではないかという点に、最も収穫があったと感じています。定番商品は安定した売上を作ってくれますが、夏は売れるけど冬や春先は売れにくいなど、売上サイクルが決まってしまうんです。

 そのため、売上が落ち着く時期でも「三ツ矢サイダー」を想起させ、購入していただくということが当社の課題だったのですが、今回のキャンペーンが解決策の一つになりそうだと思えました。

デジタルとマス、双方の良さを活かした運用を

MZ:今回の取り組みを今後どのようにアップデートしていきたいですか。

須藤:我々としては、今後より購買行動を促進するために、店頭サイネージとTwitterを連動させた施策をご提案したいと考えています。これが実現すると、たとえばTwitter上で口コミを醸成し、店頭サイネージにその口コミを表示させるといった仕掛けが可能です。

 デジタルで来店促進する施策を行いつつ、店頭で最後のひと押しができるような広告設計を、高橋さんと一緒に考えていきたいです。

高橋:今後はより購買につながる施策を行っていきたいですね。デジタルシフトを進めている背景に、認知度だけでなく売上の向上を重視するようになっているという点がありますので。デジタル広告を効率化し、売上に寄与できるものにするのが当面の課題です。

 ただ、マス広告はブランディングやマインドシェアという面では非常に大きな影響を与えるので、デジタルとマス、双方の良さを活かしながら運用を目指したいです。

MZ:ブランディングと売上につながる施策を並行していきたいということですね。

高橋:売上を伸ばすための施策だけでもダメだということは十分に理解しています。当社には「三ツ矢サイダー」だけでなく、発売から100年を超えるブランドが複数あります。それらのブランド価値を守りながら、これからも長く愛されるよう育てていくためにも、ブランディングは非常に重視しています。

 メーカーの場合広告費を削って店頭に回す、つまりは値引き施策などが該当しますが、意図のない値下げは、ブランド毀損にもつながりかねません。そうではなく、ブランディングにより売上を増やしていく施策を考えなければいけない。そこにこれからも向き合い続けたいですね。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/08/05 16:49 https://markezine.jp/article/detail/31560

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