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3,200万人の会員情報を統合し、LTV最大化を目指す AOKIホールディングスのCRM戦略

 1958年創業のAOKIホールディングスは、2018年に「Salesforce Marketing Cloud」を始め、セールスフォース・ドットコム3製品をプラットフォームとする顧客基盤の本格運用を開始した。その目的は、少子高齢化などで厳しい市場環境が続くビジネススーツ事業を中核とするグループ全体において、3,200万件に上る会員情報を活用し、LTV・利益拡大を目指すことにあった。Salesforce​の導入を機に、従来はチラシやテレビCMを中心としたマスマーケティングやDMが中心だった同社において、顧客を起点とするCRMのカルチャーが根付き始め、店舗購買リピート率などで少しずつ効果が見え始めているという。プロジェクトの立ち上げから顧客起点の定着、現在の成果までを追う。

3つの事業を軸にビジネスを展開

 1958年創業のAOKIホールディングス。同社は「ファッション」「ブライダル」「エンターテイメント」という3つの事業を軸に、ビジネスを展開している。

 ファッション事業を牽引するAOKIブランドでは、レディースを含めたトータルスタイリングストアへと進化を果たすことで、変化の激しいビジネススーツ業界内で確かな地位を確立。2004年には顧客の好みやライフスタイルに応じた着こなしを提案する「スタイリスト制度」を導入するなど、サービスを発展させていくことで成長を続けている。そして、グループ企業であるヴァリック、アニヴェルセルがエンターテイメント事業とブライダル事業をそれぞれ展開している形だ。

AOKIホールディングスのビジネスモデル
AOKIホールディングスの事業モデル

 そんなAOKIホールディングスは、2018年、新しいグループ統合ビジネスの展開を目指し、セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)が提供するMA「Salesforce Marketing Cloud」(以下、Marketing Cloud)の本格運用を開始した。グループ全体のデジタル施策やCRM施策を支援する、同社デジタル・CRM推進室の吉田亮氏は、当時のことを次のように振り返る。

 「導入のきっかけは、3年前の2016年。オーナーが発した『グループ全体で保有する3,200万人の会員情報を、もっと有効活用できないだろうか?』という一言から始まりました。この背景には、市場規模の縮小、また新規顧客の獲得だけを目指すことへの課題意識がありました」(吉田氏)

3,200万人の会員情報を統合しCRMを強化

 AOKIホールディングスが事業を展開するビジネススーツ市場やウェディング市場は、人口減少やビジネス・ライフスタイルの変化にともない、年々縮小が続いていた。たとえばビジネススーツ市場でいえば、20年前と比べると市場規模は半分以下。進学をきっかけに単年齢で最もスーツが売れる18歳人口も、20年前と比べて3割減っている状況だ。またウェディング事業についても、晩婚化やシンプル挙式へのニーズが高まり、大きな式場で式を挙げるカップル数は減少傾向にある。

 市場の縮小に加え、同社は従来のマーケティング手法にも限界を感じていた。テレビCMなどマスマーケティングの影響度が落ちてきているという肌感覚があり、ビジネススーツブランド「AOKI」の販促部門が郵送しているDMについても、「5年前と比較すると、コンバージョン率が2割くらい落ちていました」と吉田氏は説明する。

 「以上のような状況から、これからは新規顧客を増やしていくだけではなく、CRMを強化することで既存顧客との関係性を構築し、リピート率をアップしていく必要があると強く感じていました」(吉田氏)

株式会社AOKIホールディングス デジタル・CRM推進室 室長代理 吉田亮氏
株式会社AOKIホールディングス デジタル・CRM推進室 室長代理 吉田亮氏

 吉田氏は新規顧客の獲得に加え、3,200万人との関係性を構築していくことで、リピート率を高めていくことが重要であると考えた。そして、最終的にはグループ間で相互送客を生み出すことで、LTV・利益拡大が実現できると確信したのだ。そして、同氏が施策実行のために選んだのがMarketing Cloudだった。

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Marketing Cloudで新しい顧客体験を提供する

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この記事の著者

大島 彰紘(オオシマ アキヒロ)

株式会社セールスフォース・ドットコム 
マーケティング本部 B2Cカスタマージャーニーシニアスペシャリスト

コンテンツマーケティング専業企業およびデジタルマーケティング企業にて、コンサルタント、マーケティングプランナー/ディレクターとして多数のB2B・B2C企業を担当。2018年よりセールスフォース・ドットコムに...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/24 13:13 https://markezine.jp/article/detail/31574

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