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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

ファッション×ITで事業を拡大 「メチャカリ」が黒字化までの3年間を語る

ファッションを借りる文化を定着させたい

――メチャカリは、アパレルメーカーとして初のファッションサブスクリプションサービスです。既存事業との競合にあたるサービスだとも考えられますが、なぜ、メチャカリを立ち上げたのでしょうか。

 ストライプインターナショナルは、2016年から事業領域をテクノロジーへと広げていく方針を採っております。その戦略に至る背景の一つに、UberやAirbnbなど、既存業界のシェアを奪っていくディスラプターと呼ばれる企業の存在があります。私たちは、この波が必ずアパレル業界にもやって来るであろうと、以前から危機感をもっていました。新しい企業やサービスにアパレル市場のシェアを奪われるのではなく、自分たちでシェアを広げていけるように取り組まなくてはならない。このような想いから、メチャカリは誕生したのです。会社として、3年間で8億円投資すると打ちだし、テレビCMもサービスをスタートした翌年の3月から出稿しています。

 とはいえ、社内からは反論もあったことも事実です。中には、「そんなサービスを誰が使うんですか」という社内アンケートの反応もありました。しかし、挑戦し続けたことで今があります。メチャカリは、これまで当社のブランドに触れたことのないお客様との大切な接点でもあるのです。メチャカリが成長するにつれ、決して既存事業を脅かす存在ではないと明確になってきました。アパレルは9兆円市場ですが、その中で、ファッションサブスクリプション市場が1兆円規模になるとは、あまり考えていません。他の業界で見られるような、サブスクリプションが既存市場を侵食するのではなく、ファッションサブスクリプションと服の販売は共存するのではないかと考えています。

――最後に、今後のメチャカリの展望についてお聞かせください。

 2017年からテレビCMには、「ファッションもサブスクへ」のコピーを入れています。当時は、現在ほどサブスクリプションという言葉が浸透していませんでしたし、消費者の方は不思議に思われていたでしょう。しかし、それを承知の上でサブスクリプションキーワードを用いて「ファッションのサブスクといえばメチャカリ」というブランディングを続けてきました。

 昨今、サブスクリプションが話題となり、認知が進んだ状況を目にしますと、アパレル業界からメチャカリが先陣を切ってきた意味があると感じ、発信し続けてきて良かったと実感しますね。

 一方、日常の服を借りることは、まだ一般的ではありません。また、メチャカリでは新品のみを取り扱っていますが、服のレンタルと言うと中古を想像される方がほとんどです。この既成概念を変え、ファッションは買うだけでなく、借りるという選択も当たり前という新しい文化を定着させたいです。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:39 https://markezine.jp/article/detail/31583

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