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ミレニアル世代向け旅行関連サービス・商品が登場

2019/07/25 14:30

 最大の消費者層として台頭する「ミレニアル世代」。しかしその消費トレンドはライフステージごとに異なり、一枚岩ではない。その違いが顕著に表れているのが旅行市場だ。親となったミレニアル世代は旅行市場で新たなトレンドを形成している。その最新動向を追ってみたい。

目次

※本記事は、2019年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』43号に掲載したものです。

 団塊世代やX世代を超え最大の消費者層として台頭している「ミレニアル世代」。彼らはマーケティングにおいて無視できない存在になっている。米国では2019年中にミレニアル世代人口は7,300万人に達し、団塊の世代(7,200万人)を超え、最大の年齢グループになることが予想されている。

 そしてこのミレニアル世代は一つの大きな消費者セグメントとして語られることが多いが、その消費トレンドは統一されたものではない。

 米ピュー・リサーチ・センターでは、ミレニアル世代を1981~1996年に生まれた層と定義。現時点で23~38歳の層となる。米国で23歳というと新卒で入社して数年経ったフェーズ。一方、38歳というと仕事上では中間管理職、プライベートでは結婚し子供がいるといった例が多いと言えるだろう。ミレニアル世代と一口に言っても、様々なライフステージがあり、求めるものはその段階によって大きく異なってくる。

 その違いが大きく現れているのが旅行市場だ。ミレニアル世代は、団塊の世代やX世代などに比べ旅行頻度が高いと言われてきた。一人やカップルなど少人数で「インスタ映え」する絶景スポットや秘境に行く旅行などが流行った印象がある。しかし、1980年代に生まれたミレニアル世代の多くは30代に突入、結婚し子供を持つフェーズに至っており、旅行スタイルも大きく変わってきている。

 子供がいるミレニアル世代の間では、どのような旅行トレンドが生まれているのか。海外の事例からその最新動向を探ってみたい。

子供がいるミレニアル世代、旅行頻度と支出は増加傾向

 旅行市場において子供がいるミレニアル世代に注目すべき理由は2つある。1つは子供がいるミレニアル世代家庭の急速な増加だ。

 北米を拠点にする旅行・不動産リサーチ会社Resonanceのまとめによると、米国のミレニアル世代で子供がいる割合は現在50%近くに増加しているという。子供を持つ米国ミレニアル世代女性の数は1,600万人以上。米国で2015年に出産したすべての女性の80%以上がミレニアル世代だった。ミレニアル世代旅行者で子供がいる割合は現在60%ほどに達している。

 注目すべきもう1つの理由は、同じミレニアル世代でも子供がいる家庭のほうが旅行頻度が高く、支出も増加傾向にあるということだ。

 TMS Family Travelのまとめによると、米国ミレニアル世代の年間平均旅行回数は2.6回だが、一人やカップル世帯に比べ子供がいる世帯のほうが旅行頻度が高いという。2015年の調査では、子供がいるミレニアル世代の旅行回数は5.4回で、そのうち1回は海外旅行が含まれていた。

 回数だけでなく支出面にも注目が集まる。MMYGの調査によると、子供を持つミレニアル世代の2018年平均旅行予算は4,577ドルと前年の4,099ドルから12%上昇。旅行予算を若干削減する傾向が見られた他の世代との違いが浮き彫りになった。

 子供がいるミレニアル世代の旅行回数と支出が多いのはなぜなのか。ソーシャルメディアの影響、働き方の変化や旅行計画の簡易化などいくつかの要因が考えられる。

 ソーシャルメディアでは、InstagramやYouTubeなどで影響力を持つミレニアル世代のファミリートラベル・インフルエンサーが増えていることが挙げられる。よく知られているのは、Bucket List Family(Instagramのフォロワーが170万人)、Earthy Andy(100万人)、Travel Mad Mum(10万人)など。

 また、ソーシャルメディアに加えデジタルツールの利用が日常になっているミレニアル世代では、そのようなインフルエンサーから情報を受け取るだけでなく、自ら情報を発信する人も少なくない。友人や親戚など身近な人が発信する情報は信憑性が高く需要があるためだ。こうした人々はマイクロインフルエンサーと呼ばれ、企業・マーケターにとっても重要な存在になっている。Resonanceの調査では、旅行中にソーシャルメディアで写真や動画をシェアするミレニアル世代の割合は43%もいることが明らかになった。

 フレキシブルワークやリモートワークなど働き方の変化も子供を持つミレニアル世代の旅行頻度を高める要因になっている可能性がある。

 米世論調査会社ギャロップの調査(2018年2月)では、米国では既に43%の従業員がなんらかの形でリモートワークを実践していることが判明。ワーク・ライフ・バランスを重視する傾向が強まっており、もし他の企業がフレキシブルタイムを許可するのならその企業に転職すると回答した割合も51%と高いものだった。

 米ベントリー大学の調査では、生産性を高めるのにフレキシブルタイムのほうが効果的だと回答したミレニアル世代は77%に上る。通勤時間の削減、生産性の向上などで余剰時間が生まれ、子供との旅行時間に充てられる人が増えていることが考えられる。


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