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ライブ配信市場全体を盛り上げるために、「17 Live」が行った“緻密なコミュニケーション”とは

今泉ファン、新規層を動かすために必要なメッセージとは?

MZ:今回のキャンペーンでは、どのようなメッセージを届けようとしたのでしょうか。また、なぜそのメッセージにたどり着いたのか教えてください。

水谷:キャンペーンで一番伝えたかったのは、“ライブ配信の楽しさ”です。それを掘り下げていった結果、 “インタラクション(相互作用)”がポイントだと考えました。配信を行うライバーとユーザーとの間に発生するコミュニケーションにこそ、独自の楽しさや価値があるのです。

 そして、今泉さんを起用することも踏まえて考えたところ「今泉さんと一緒に番組を作っていくこと」をコンセプトにしたメッセージにたどり着きました。

関:コミュニケーションに関しては、今泉さんを通じてインタラクションを起こし、既存ファンと新規層を巻き込みながら、ライブ配信の楽しさを伝えるために必要なことを考えました。

 特に重要だったのは、今泉さんのファンや「今泉佑唯×17 Live」に関心を持ってくれる人がどんなトライブ(共通の興味や目的で繋がる集団)であるかを、正しく理解することです。コミュニケーション設計を行う前に、ソーシャルリスニングなどを通じて、それらのトライブの人々がどのような共通言語でコミュニケーションを取っているのか、また今泉さんの良さをどう捉えているのか細かく整理。その上で、トライブごとにリアクションしたくなるコミュニケーションを考え、時間軸に合わせて戦略的にメッセージを当てていきました。

配信当日がピークになるよう盛り上がりを醸成

MZ:実際には、どのようなキャンペーンを行ったのでしょうか。

水谷:一言でいえば「Twitter上で祭りを起こそう」としました。2019年4月29日から5月1日の3日間、今泉さんにライブ配信をしてもらうことが企画のメインですが、加えてライブ配信当日までにいかに盛り上がりを作れるかが重要でした。そのため、4月21日から、今泉さんにどのようなテーマでライブ配信をしてほしいかをTwitterで募集するキャンペーンを実施し、今泉さんを中心にコミュニケーションを展開しました。

関:そして、ライブ配信期間に今泉さんのファントライブを含めて、より多くの人に見てもらうためにはどうしたら良いか考えた結果から、具体的には事前のコミュニケーションを3つのフェーズに分けて行いました。

フェーズ1:今泉さんが「17 Live」でライブ配信をすることに対して、ファントライブに興味を持ってもらう

フェーズ2:ライブ配信当日、「17 Live」でしか見られない今泉さんが見られるという期待感を煽る

フェーズ3:フェーズ1、2で反応してくれた人に対して、アプリインストール広告を配信する

 これらのフェーズに合わせて、Twitter上では「#イチナナ今泉佑唯の部屋」という共通のトークテーマを作り、それを使って会話量を増幅させるコミュニケーションを展開しました。LPなどもあえて用意せず、今泉さんのTwitterのタイムライン上と、こちらのハッシュタグ上に情報が集まる設計にしています。

 そして、リーチ&フリークエンシー広告を活用して露出を最大化し、サービスへのポジティブな言及などをしている方には、プレゼントキャンペーンを用いたアプリインストール広告の配信を行いました。また、どんなトークテーマが良いかをカンバセーショナルカードで投票、もしくはリツイートしてくれた人に対しても、リターゲティングしてアプリインストール広告を打ち、当日の参加者を増やしていきました。

1人を細かく見たコミュニケーションを

MZ:キャンペーンを実施する中でどのような点に気を付けましたか。

水谷:上手くプランニングができた要因として、トライブにいる人を詳しく可視化できた点があると思っています。

 今泉さんは、Twitter上でファンとのコミュニケーションを積極的に行っています。その内容やファンの方のアカウントを見ていくと、彼女のどんなリアクションでファンが喜ぶのか、普段ファンの方がどんなことを考えているのかが、細かく浮かび上がってきます。

 コミュニケーションを取るべき相手が明確に見えていたので、企画も自然と降りてきましたし、クリエイティブなども迷わず作ることができました。

関:1人を細かく見ることは本当に重要で、これができないと企画の成功確率は下がってしまいます。トライブの中にも、エンゲージメントが高い人から低い人まで様々ですが、今回のキャンペーンでは、それが企画段階から細かく見えた。その上で企画を立てられたのは、非常に良かったと思います。

 企画を考えるとき、通常はペルソナを立てて「Who」を定めていくことが多いと思いますが、ペルソナ通りの人ってほぼいませんよね。トライブによって、共通言語やリアクションしたくなるメッセージは異なるため、各トライブに対して丁寧にコミュニケーションを設計していくことが大切です。Twitterにはトライブを知るヒントがたくさん眠っているので、そこから「Who」を詳細に探れたのは大きかったです。

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キャンペーンで得られた成果とは?

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/08/09 10:00 https://markezine.jp/article/detail/31597

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