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百聞は一見に勝てないのか? 音声広告の力を測る

音声広告に対するイメージと効果は?

 では、音声広告はどのようなイメージを持たれているのだろうか。動画広告と比較していく(図表4)。

図表4 各メディアの視聴中に流れる広告のイメージベース:音声広告接触者/複数回答(タップで拡大)
図表4 各メディアの視聴中に流れる広告のイメージ
ベース:音声広告接触者/複数回答
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 「視聴を妨げられて煩わしい」というイメージが最も強いものは、動画配信・共有サービスで50%、「広告が入る回数が多く感じる」についても30%を超えた。コンテンツ視聴中に広告が入りこむことに対して、良いイメージが持たれていないようだ。聴覚情報である音楽配信サービスやラジオアプリの広告イメージも「視聴を妨げられて煩わしい」が最も高かったが、動画配信・共有サービスと比べると20ポイント以上低い。当然この設問の選択肢には、「好感が持てる」といったポジティブなプリコードも含めていたが、音声・音楽、動画といったメディアに入る広告に対しては、相対的にネガティブなイメージが強いことがわかる。

 次に音声広告や動画広告に接触した際、接触者はどのような行動を取っているのか。視聴中と視聴後に分けて比較してみた(図表5)。

図表5 各メディア広告の視聴中、視聴後の行動ベース:音声広告接触者/複数回答(タップで拡大)
図表5 各メディア広告の視聴中、視聴後の行動
ベース:音声広告接触者/複数回答
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 視聴中に「広告をスキップ」するという行動は、動画配信・共有サービスで6割、テレビで4割と、動画メディアは音声メディアに比べ、回避行動や視聴自体を取りやめる人が多い。またテレビは、「広告が流れている間に他のことをする」が突出しており、テレビCM中に所用を済ませようといった行動を取ろうとする特徴が見られる。

 視聴後に「広告がきっかけで商品やサービスを購入したことがある」と購買に至った経験率は、テレビが最多で33%、ラジオ[放送派]が15%だった。一方、音楽配信サービスやラジオアプリは10%未満と低い。このように現時点での音声広告の効果は、テレビに比べると限定的に見える。

“聴覚”に訴える音声広告の可能性

 音声広告が流れる音楽配信サービス(Spotify、YouTube Music)、ラジオアプリ(radiko)のいずれも利用したことがない人に、音声広告が流れるこれらのサービスの利用意向を質問してみた。その結果、71%が「料金が無料であれば」「楽曲が豊富で、低価格なら」といった条件付きで「利用したい」と回答した(図表6)。

図表6 音声広告が流れる音楽配信サービスの利用意向ベース:音声広告非接触者(n=144)/単一回答(タップで拡大)
図表6 音声広告が流れる音楽配信サービスの利用意向
ベース:音声広告非接触者(n=144)/単一回答
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 日常生活の中では、テレビCMや動画広告、バナー広告など「視覚情報」として入ってくる広告はたくさんある。視覚として広告を見たほうが、商品やサービスのイメージを強く伝えられることもあるかもしれない。しかし、視覚に訴えかられける広告が増えすぎると消費者はそれを拒むようになる。音声広告の利用意向率が高いのも、視覚ではなく聴覚として得られる情報であることが背景にありそうだ。

 「百聞は一見にしかず」というが、どんなに素晴らしい動画広告を作っても“一見”もしてくれなければ意味がない。日本は欧米に比べると音声広告はまだまだ少ないが、今後音声広告ありのサービスが広く知られるようになり、さらには音声広告との親和性があるスマートスピーカーなども普及すれば、音声広告の存在価値が高まっていくことになるだろう。

■調査概要
調査主体:マクロミル・翔泳社(共同調査)
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:一般層:全国15~59歳の男女、音声広告接触者層:音声広告がある音楽配信サービス(Spotify、YouTube Music)、ラジオアプリ(radiko)いずれかの利用者(マクロミルモニタ会員)
割付条件:一般層:国勢調査による性別×年代の人口動態割付/500サンプル、音声広告接触者層:上記対象条件の性年代別の出現率に基づき割付/500サンプル
調査日:2019年6月28日(木)

・本文の数値は四捨五入した整数で表記しています。
・百分率表示は四捨五入の丸め計算を行っており、合計が100%とならない場合があります。

▼調査レポート
『音声広告に関する調査。「煩わしさ」を感じる割合は動画広告よりも低い』(HoNote)

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この記事の著者

マクロミル(マクロミル)

高品質・スピーディな市場調査を提供する、マーケティングリサーチのリーディングカンパニー。生活者のインサイト把握やデジタルマーケティング施策の広告効果測定など、マーケティング課題解決に向け最適なソリューションを提供。世界21カ国、50の拠点を展開し、唯一無二のグローバル・デジタル・リサーチ・カンパニーを目指す。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/08/06 16:39 https://markezine.jp/article/detail/31823

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