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カスタマージャーニー研究プロジェクト(AD)

「宅配ピザならピザハット」を目指して 年数回の利用タイミングを逃さない、リピート促進のためのMA活用

メール経由のセッション数は1.2倍、売上も向上

 元々、メールマーケティングに限界を感じていたピザハット。Marketing Cloudを導入して、メール以外のチャネル開発に目を向けたものの、最初に成果が上がったのは意外にもメールでのアプローチだった。前述の「メール1通の準備に3時間かかる」という問題は1時間未満に、またABテストの実施についても、件名だけのテストであればわずか3分で済むという、劇的な効率化が図れたという。

 以前はテキスト、画像、配信設定など個別の管理画面の操作が必要だったが、Marketing Cloudの管理画面に一括されたこと、またその機能性の高さから「本当に気軽にABテストを実施できるようになり、効果のあるほうに寄せるのも簡単なので、同じ作業量やコストの中で売上貢献を引き上げられている」と薮内氏。

 さらに想定外の効果も得られた。以前導入していたツールでは、業者サイドが共通IPアドレスを使っていたことからメール受信が拒否されていたケースも多かったのだが、Marketing Cloudでは1社につき専用IPアドレスが複数付与されるため、そもそもの配信成功数が向上したのだ。

 加えて、メール配信数に関しても従量課金ではなく、年間でピザハットが配信見込みとする一定の数を定額とするようなカスタマイズを適用したため、むしろ配信費用は減額。かつ、以前と同じセグメント抽出でもIPアドレスの関係で到達数が増えたため、CV数も向上し、メール経由の売上は前年比115%に向上した

 併せて、管理画面が集約されたことで、運用の属人化も解消したという。CRMチームの皆がMarketing Cloudを使えることで、メンバー間でのナレッジ共有もスムーズになった。

アプリのプッシュ通知によってCV数1.4倍

 特にABテストに関して収穫が大きかったのは、コンテンツの最適化だ。たとえば以前は、“コンシェルジュ”からのメッセージ文章をメールの冒頭に入れていたが、そうするとメイン画像やクーポンがファーストビューから見切れてしまう。「“読んでもらう”のではなく、まず“見てもらう”ことに絞るべきでは?」と考えた薮内氏は、思い切ってテキストを割愛し、画像訴求に絞ったメールを配信。その結果、クリック率が1.2倍向上したという。これまで入れていたテキストの執筆もCRMチーム内で手掛けていたため、工数の削減にもつながった。

 メール以外に、アプリのプッシュ通知やSMSを介した売上も目に見えて向上している。数年前にアプリを開発していたものの、当初は全体の売上構成で10%以下だったことから積極的な活用に至っておらず、プッシュ通知もできていなかった。

 「Marketing Cloudを導入し、アプリの活用状況データも一元化したら、実際にはアプリ経由の注文がメールや電話よりも高かったんです。まさに、眠っていた資産だったと思いました」と、薮内氏。プッシュ通知を開始したところ、CV数が1.4倍になり、大きな売上増につながった。また数値での成果に加えて、「アプリを開くきっかけを作ることが大事だろう」というこれまでの仮説が検証でき、手応えがあったという。

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膨大なデータの可視化で発想の幅が広がる

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

大島 彰紘(オオシマ アキヒロ)

株式会社セールスフォース・ドットコム  マーケティング本部 B2Cカスタマージャーニーシニアスペシャリストコンテンツマーケティング専業企業およびデジタルマーケティング企業にて、コンサルタント、マーケティングプランナー/ディレクターとして多数のB2B・B2C企業を担当。2018年よりセールスフォース...

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/11 10:00 https://markezine.jp/article/detail/31900

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