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P&Gのパンテーンが、社会問題に切り込むキャンペーンで果たした目的と上げた成果

社会問題に切り込んだキャンペーン、成功の鍵は?

大倉:コピー一つとっても、少しの言葉選びの差で印象が変わることがあるので、細心の注意を払っていました。また、細かいテクニックの前に嘘をつかず真摯に取り組むということがすごく大事です。嘘はすぐに暴かれてしまいますから。

中村:様々なステークホルダーにどう見えるかを考えることが重要だと思います。一方から見ると勇気をもらえる発言でも、もう一方から見ると辛かったり悲しかったりする場合もありますから。一人ひとりに対して誤解がないように伝えていくというのが大事ですね。

大倉:その上で、最終責任者である自分がどれだけ肝を据えられるかだと思っています。

中村:P&G様からはものすごい覚悟を感じました。企業や担当者の覚悟は生活者にも透けて見えてしまうので、非常に重要です。僕らもそれに鼓舞されて、どうすれば期待に応えられるかを常に考えていました。

MZ:関さんはいかがですか。

関:ちょっとやそっとの覚悟では、今回のようなキャンペーンはできないと思っています。パンテーンチームの方々は結束力が固く、エージェンシーとクライアントという立場も抜きに一緒になってプロジェクトを良い状態、良いゴールへ導けるようにアップデートさせていくことができました。

 そういうチームのあり方は非常に勉強になりましたし、ご一緒できてよかったです。「ブランドをマネジメントするというのは、こういうことか」と実感させられました。

大倉:我々広告主サイドは、エージェンシーが提案してきた企画の良し悪しをジャッジして進めるというケースも多いと思いますが、私はそれではダメだとチームのメンバーに言っています。

 ブランドを担当する以上は、パートナーに丸投げせず、自分で頭を使って考えるべきです。私自身、100%できているかはわかりませんが、常に意識はしています。

ツイート18万件、トレンド入り11回の反響に

MZ:このキャンペーンの手応えはいかがでしたか。

関:Twitterで「#この髪どうしてダメですか」というハッシュタグの付いたツイートが18万件集まり、Twitterのトレンドにも11回入りました。

大倉:動画の再生数も1,000万回を超え、様々なメディアに露出することもできました。パンテーンは他にも様々な取り組みを行っているのでこのキャンペーンだけの成果ではないと思いますが、過去数年苦しんでいた売上の面でも、大きな成果が得られています。

MZ:最後に、今後の展望を教えてください。

大倉:この「#HairWeGo さあ、この髪でいこう。」キャンペーンはすごく意味があると思っているので、テーマは未定ですが、今後も継続していきたいと思っています。

中村:一つのブランドが主体となり、社会全体を動かせることがこのキャンペーンでわかりました。企業やブランドの思いと消費者の課題とがちょうど交わる部分さえあれば、コミュニケーションの設計次第で、お互いにとって良い結果を生み出せるのではないかと思います。またこのような機会があれば、お手伝いできると嬉しいです。

関:僕自身は、P&Gの方々に出会えて、すごくパンテーンというブランドが好きになりました。もしまた機会があるならば、これをさらに超えていけるようなチャレンジをワンチームとして一緒に歩めればと思います。

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/09/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/31915

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